「漬け物」で血糖値のコントロールを改善できる
東京大学の理化学研究所の研究で、日本人を対象に糖尿病予備軍の人たちとそうでない人たちの腸内細菌の違いを見たところ、アリスティペス属の菌にインスリン抵抗性を改善する効果があることがわかりました。
わずかに存在している特定の菌が血糖値のコントロールを改善することがわかり、それを肥満のマウスに投与してみたところ、血糖値を改善する効果が見られたのです。
恐らくアリスティペス属の菌が減少することが糖尿病の発症につながっているのではないかということが、日本人の腸内細菌のデータから得られています。
さらに、発酵食品を研究したものでは、乳酸菌の一種のロイコノストック・メセンテロイデスという細菌が日本の発酵食品には結構含まれていて、この細菌の生み出す糖類の一種であるEPSが短鎖脂肪酸と一緒になって血糖値のコントロールにいい影響を与える可能性が報告されています。
そのため、漬け物などの日本古来の発酵食品が、実は日本人の血糖コントロールに非常にいい影響を与えていることがわかっています。
“自然食品”を摂ることを意識する
日本人の腸内細菌のデータを見ていくと、大きく分けて5種類くらいあります。
そうなると、個人差が大きいですし、乳酸菌やビフィズス菌などがあまりいない人も結構いるため、乳酸菌やビフィズス菌をエサにするプロバイオティクスが全ての人にいいのかどうかは疑問もあります。
同じく究極のプロバイオティクスともいえる便移植は、特定の疾患では有効であると報告されていますが、肥満を改善する、糖尿病改善する、高血圧を改善するなどのすべてを解決するようなデータに関しては、あまり有効なものはありません。
血糖値をコントロールすることは万病につながるので、腸内細菌にいいものを取り揃えておくことが一番ですが、そのための方法として自然食品を摂ることが大事です。
日本人であれば漬け物などの先祖伝来の発酵食品を摂ることがいい影響を与える可能性が高いです。
基本的には、サプリメントではなく食品から腸内細菌を育んでいくことを意識すると、血糖値のコントロールはもちろん、将来の慢性炎症全ての予防につながっていくでしょう。
(TEXT:山田周平)
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配信: クックパッドニュース