適応障害という病名を時折耳にしますが、実際にどのような病気なのかはあまり知られていません。
また適応障害はうつ病とも混同されやすく、病気に関して誤解が生じている場合も見られます。
この記事では適応障害とうつ病の違いを解説するとともに、適応障害の診断基準や治療方法・ご家族が適応障害になったときの対応方法も紹介します。
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※この記事はMedical DOCにて『「うつ病と適応障害の違い」はご存知ですか?医療機関にかかる目安も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)
専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
適応障害の受診目安や治療方法
適応障害で医療機関にかかる目安を教えてください。
適応障害で医療機関の受診をおすすめするのは以下のような症状が現れた場合です。
抑うつ
不安
食欲不振
拒食・過食
不眠・睡眠状態の悪化
過呼吸
このような症状が続く場合は早めに医療機関の受診を考えてください。
ストレス対策としてどのような治療を行いますか?
治療では主にカウンセリングを行います。丁寧なカウンセリングによって適応障害の原因となるストレスを分析し、どうしたらそのストレスを取り除けるか直接的な対応の検討をします。適応障害では原因となるストレスがなくなると症状も消滅していくため、まず原因であるストレスを取り除くことが大切です。職場の人間関係がストレスになっている場合は人間関係の改善をはかるなどの対策が考えられます。しかしこういった問題は解決が容易でない場合もあり、周囲の理解と協力が必要です。あるいは患者さん自身の自分に対する認識を検討して、可能であれば変化を促すことも考えます。患者さん自身の認識や考え方、ストレスへの対応方法をよく知って、変えられる部分があれば変えていく方法も探ります。
薬物療法を行うこともありますか?
適応障害の治療には薬物療法も用いられます。一般的には抗うつ薬・抗不安薬・睡眠薬などを投与しますが、適応障害は薬物で完治するものではないので、ストレスを取り除く環境調整や心理療法が優先されます。薬物療法は強すぎる不安や憂鬱などの症状を抑えながら、環境調整や認知行動療法を進めやすくすることが目的です。
編集部まとめ
適応障害には明確な原因となるストレスが存在し、そのストレスが消えると症状も改善にむかうことがわかりました。その点がうつ病と異なります。
適応障害の治療には原因となるストレスから一時離れたりそのストレスをなくしたりするように努力することが大切です。外因的要素であるストレスを取り除く対策を取ると同時に、患者さん本人の認識を変化させるなど内因的要素へのアプローチも必要です。
適応障害で症状の改善が見られない場合はうつ病に進行するケースも少なくないので治療と診断には慎重な態度が求められます。
ご家族が適応障害ではないかと感じた場合は、話をじっくり聞くなどリラックスできる環境を作ると同時に早めに医療機関への受診をすすめてください。受診には付き添って行くとその後の治療に役立つでしょう。
参考文献
適応障害(厚生労働省)
適応障害について
ご家族にできること(厚生労働省)
配信: Medical DOC
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