「クッシング症候群」の治療法はご存じですか? クッシング症候群の診断基準や合併症についても「おばな内科クリニック」の川名部先生に解説していただきました。
≫「糖尿病」を放置するリスクはご存じですか? 危険な合併症や治療法も医師が解説!
監修医師:
川名部 新(おばな内科クリニック)
聖マリアンナ医科大学卒業。同大学病院では代謝内分泌を主として、糖尿病や生活習慣病を専門に経験を重ねる。2023年4月より川崎市中原区にある『おばな内科クリニック』を継承し、院長を務める。日本内科学会認定医、日本糖尿病学会認定糖尿病専門医、日本内分泌学会認定内分泌代謝科専門医、臨床研修指導医
編集部
クッシング症候群はどのように診断されるのですか?
川名部先生
クッシング症候群が疑われる場合は、尿または血液中のコルチゾール値を測定します。通常、コルチゾール値は午前中に高く、その後は徐々に低下しますが、クッシング症候群の場合コルチゾールは1日中高い値を示す場合が多くなります。ほかに、必要に応じて血液検査や画像検査などを行い、総合的にみて医師が診断します。
編集部
では、治療はどのように行われますか?
川名部先生
治療法は病気の原因が何かによって異なりますが、腫瘍が原因の場合は手術や放射線療法で腫瘍を切除・破壊するのがファーストチョイスです。薬が原因の場合は、可能であれば薬を減らします。なんらかの要因で手術ができない方などは、コルチゾール値を下げるか、あるいはコルチゾールの効果を阻害する薬剤を使用することもあります。
編集部
この病気は根治するのでしょうか? 合併症の可能性は?
川名部先生
こちらも原因によって異なります。例えば副腎皮質腺腫などが原因の場合は、手術での腫瘍摘出によって根治が期待できます。治療の効果が十分でなかった場合や、治療をしなかった場合は、症状が進行して様々な合併症が表れる可能性もあります。
編集部
どんな合併症があるのですか?
川名部先生
高血圧症や糖尿病は高い確率でみられます。また、心筋梗塞や狭心症などの心疾患や、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害を発症する方もいらっしゃいます。さらに、骨や筋肉が脆くなり、日常生活に支障を来しやすくなります。
※この記事はMedical DOCにて【糖尿病の原因になる「クッシング症候群」はご存じですか? 医師が治療・合併症も解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
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