「便秘じゃないのにおならが臭い」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「便秘じゃないのにおならが臭い」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

便秘じゃないのにおならが臭い原因とは?Medical DOC監修医が大人・子供別の原因と対処法・おならが臭くなりやすい食べ物・おならが臭くなりやすい人の特徴・考えられる病気・予防する食べ物や対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

≫「大腸がん」を発症すると「腰」にどんな痛みを感じる?初期症状も医師が解説!

監修医師:
関口 雅則(医師)

浜松医科大学医学部を卒業後、初期臨床研修を終了。その後、大学病院や市中病院で消化器内科医としてのキャリアを積み、現在に至る。内視鏡治療、炎症性腸疾患診療、消化管がんの化学療法を専門としている。消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、総合内科専門医。

便秘じゃないのにおならが臭い原因

おならとは、腸内に溜まったガスが直腸から排出されることです。
誰でも、毎日何回かおならやげっぷといった形でガスを排出します。しかし、腸内のガスが多すぎたり異常なにおいを発したりする場合には、消化器の病気の兆候かもしれません。
排便困難と胃痛、そしておならが過剰になったり臭くなったりする場合には、まずは便秘が原因として考えられます。しかし、そうではない原因もあります。ここでは、便秘以外のおならが臭くなる原因について解説します。

腸内細菌の乱れ

腸内には数百兆もの細菌が存在し、これらがバランスを保ちながら消化を助けています。悪玉菌が増加し、善玉菌が減少することで腸内環境が乱れ、臭いの強いガスが生成されやすくなります​。
この状態が長期間続く場合や他の症状(腹痛、下痢など)がある場合は、消化器内科を早めに受診しましょう。

食事内容

特定の食べ物(例:高脂肪食品、加工食品、乳製品、豆類)は腸内で消化されにくく、腐敗することで臭いの強いガスが発生します。特に、硫化水素を生成する食品は強い臭いの原因となります​。
気になる場合は食事日記をつけて、どの食品が影響しているかを特定します。食事内容を見直しながら症状を観察しましょう。

薬の副作用

おならが過剰に出たり、臭くなったりする原因として、薬の副作用も考えられます。
例えば、イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、下剤、抗真菌薬、スタチン系のお薬などがこれに該当します。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群(irritable bowel syndorome:IBS)は、腹部の不快感や腹痛が生じるものです。症状は排便または便通の変化にともなって生じ、排便障害を呈する機能性消化管障害の一つです。
特に、腸内のバクテリアが食物を発酵させる過程でガスが生成されるため、食事内容や腸内環境の変化が影響します。
IBSの診断には、他の疾患(炎症性腸疾患、感染症など)を除外するための検査が必要です。症状が長引く場合や、腹痛、血便、体重減少などの他の症状が見られる場合は、早めに受診することが重要です。

乳糖不耐症やセリアック病

乳糖不耐症という食物不耐症は、牛乳や乳製品に含まれる乳糖を消化する酵素が不足するために発生します。この結果、消化不良が起こり、臭いの強いガスが生成されます​。
食物不耐症が疑われる場合は、まずは牛乳や乳製品を避け、それでも改善しない場合は、専門医に相談することが大切です。アレルギー科、消化器内科を受診しましょう。
また、セリアック病という病気も、臭いおならの原因になりえます。これは、小麦や大麦、ライ麦などに含まれるグルテンに対する免疫反応によって引き起こされる自己免疫疾患です。セリアック病になると、グルテンを摂取した際に消化器系が過剰反応し、腹痛や過度の膨満感、さらに激しい下痢などの症状が現れます。
このような場合には、グルテンを含むパンやパスタなどの食物を避けることが重要です。グルテンフリーの食事を続けることで症状が改善されることが多いですが、自己判断で行うのではなく、アレルギー科や消化器内科を受診すると良いでしょう。

大人・子供別「便秘じゃないのにおならが臭い」原因と対処法

便秘ではないのにおならが臭い場合、その原因と対処法は年齢によって異なることがあります。ここでは、大人と子供それぞれの場合について詳しく説明します。

大人で便秘じゃないのにおならが臭い原因と対処法

大人の場合、腸内細菌のバランスの乱れ、高脂肪食品の摂取、過敏性腸症候群(IBS)、消化器系のがんなどが原因として考えられます。これらの要因が腸内環境を乱し、臭いの強いガスを生成することがあります。
高繊維の食品やプロバイオティクスを摂取し、食事内容を見直すことが重要です。また、ストレス管理も効果的です。症状が続く場合や他の異常な症状が見られる場合は、消化器内科を受診し、適切な診断と治療を受けることが必要です。

子供で便秘じゃないのにおならが臭い原因と対処法

子供の場合、乳糖不耐症やセリアック病、腸内細菌のバランスの乱れ、消化器系の感染症が原因として考えられます。これらが消化不良を引き起こし、臭いの強いガスを生成することがあります。
消化に良い食事(果物、野菜、全粒穀物)を心掛け、乳製品の摂取を控えることが効果的です。また、適度な運動も腸の動きを促進します。症状が続く場合や他の症状が見られる場合は、小児科や消化器内科を受診し、適切な診断と治療を受けることが必要です。

関連記事: