5、モラハラ加害者との上手な接し方
相手のモラハラを治すことはできそうにない、でも離婚もできそうにない、職場を離れられそうにもない。法的対応をするのもためらわれる。
もし、このようなジレンマに陥っているのなら、モラハラ加害者と上手に付き合っていくことを考えるのもよいでしょう。モラハラ加害者との上手な付き合い方は、まず、物理的に離れることです。家庭であれば別居、職場であれば部署異動等になります。
別居の場合は経済的に独立することが必要になります。ただ、あなたが相手の配下にいるからこそモラハラが成立していたのですから、経済的な独立を図ろうとすること自体について、モラハラ加害者の本心からの同意を得るのは難しいことにも注意が必要です。
どうしても同意が得られない場合には、強行突破をするなどして強い意志を見せることも重要となります。ただ、加害者が物理的な暴行等におよびそうな場合は注意をしてください。必ず第三者に相談をしてから行動することです。
一方で、部署異動の場合は、多くの場合、管理部等中立な立場の部署があるはずです。そこへ相談してみましょう。
そこまでする必要もない軽いモラハラの場合は、いつでも相手を褒めておくことが有効です。ただ、本気で尊敬していない場合は要注意です。ボロが出てしまった時は、辛辣なモラハラが待っていますので。
また、あなた自身がしっかりしていないと、徐々にひどくなることもあります。
いずれにしても、モラハラかもと気づいたときは、あなた自身がしっかりと自分を持ち、加害者の甘い罠(稼いでくれる、優しくしてくれる等)に依存しないことが何よりも大切です。
6、モラハラの適切な相談先とは
モラハラ被害を受けて苦しんでいるときは、実家の家族や友人・知人などに相談することもよいのですが、モラハラ加害者は外面が良いことが非常に多いため、他人に相談してもわかってもらえないことも少なくないので注意が必要です。
モラハラ行為は加害者・被害者という関係性の中で行われるものです。
モラハラ加害者はターゲットである被害者に対しては優位に立ち強い態度を取るものの、その他の関係性の中では丁重で礼儀正しく振る舞い、責任感があり信頼できる人間と見られることが多いのです。
不用意に他人に相談すると、「あの人がそんなことをするはずがない」「あなたに悪いところがあるのでは」などと言われ、かえって精神的に傷ついてしまうおそれがあります。
したがって、相談するなら以下のように適切な相談先を選ぶべきです。
まず、とりあえず話を聞いてもらいたいという場合には、以下の相談先が設置されていますのでおすすめです。
DV相談+(プラス)
女性センター
ストレスによって心身に不調をきたしている場合などで、加害者と物理的に離れたい場合は、すぐ以下のところに相談した方がよいです。
婦人相談所
配偶者暴力相談支援センター
職場でのモラハラ被害については、社内の相談窓口で相談をしてみるのも1つの方法です。
社内では相談しづらい場合や、相談しても解決につながらない場合には、都道府県の労働局に相談をしましょう。
各都道府県の労働局所在地一覧
以上の相談先でも解決できない場合や、はじめから法的対応を考えている場合には、弁護士に相談しましょう。
弁護士から相手に警告を出すと、モラハラ行為が止まることがありますし、場合によっては慰謝料請求できるケースもあります。
なお、どこに相談すればよいのかがわからないときも、弁護士に相談することをおすすめします。
豊富な経験に基づいたアドバイスが得られますし、必要であれば最適な相談先を勧めてもらえます。
カウンセラーなどを紹介してもらえることもあります。
こちらの記事で、モラハラ被害の相談先や、相談する弁護士の選び方などについて解説していますので、ぜひご覧ください。
配信: LEGAL MALL