「顔が勝手にピクピクけいれんするときに考えられる病気はご存じですか? 顔面けいれんの受診の目安・重症化リスクについても「町田脳神経外科」の田辺先生に解説していただきました。
≫「顔がピクピクけいれんする」原因を医師が解説! 脳腫瘍が見つかるケースもあるので要注意!
監修医師:
田辺 英紀(町田脳神経外科)
1984年、大阪医科大学卒業後、大阪医科大学や北野病院脳神経外科などで研鑽を積む。2000年より、城山病院院長 / 脳脊髄外科センター長を務め、2010年には田辺脳神経外科病院を開設、病院長となる。2020年より、町田脳神経外科および梅田脳脊髄神経クリニックの理事長。日本脳神経外科学会専門医、日本脊髄外科学会認定医、日本脳卒中の外科学会指導医、日本脳卒中学会認定医。2024年2月に三叉神経痛/顔面痙攣を治す手術の第26回日本脳神経減圧術学会学会長。
編集部
顔がピクピクするときの受診の目安を教えてください。
田辺先生
ごく稀にピクピクし、しばらくすると消失する、という場合は、すぐに受診をしなくても良いかもしれません。しかし、頻度の増加、範囲が広がっている、目をきちんと開けられずに運転ができないなど日常生活に支障が出たり、顔面のピクツキが気になって、人と会うのを避けるようになってきたりなどの場合は、適切な医療機関に相談してください。特に女性は、顔の動きが気になって精神的ストレスを感じる方が多いようです。
編集部
何科を受診したら良いですか?
田辺先生
顔面神経は脳神経なので、脳神経外科を受診すると良いでしょう。さらに、顔面痙攣を専門に診てくれるドクターのいる医療機関がおすすめです。顔面痙攣かどうかを適切に判断してもらえますし、ほかの病気が隠れていないかも確認してもらえます。
編集部
目の周りなので眼科に行くのかと思っていました。
田辺先生
目の周りが動くので眼科に行かれる方も多く、「ボトックス治療(注:筋肉をマヒさせる毒素・ボツリヌスを注射する治療)」という、見た目的に痙攣をおさえる治療をされる先生方がいらっしゃいます。その場合、三か月ごとに注射を打ち続ける必要があり、長期的に継続すると筋萎縮で表情が変わるなどの合併症が起こる可能性があります。
編集部
ほかの病気が隠れている場合もあるのですか?
田辺先生
そういったケースも考えられます。先ほどもお伝えしましたが、まれに、血管の圧迫ではなく脳の腫瘍が原因である場合もあるので、そういった可能性を否定するためにも、一度はきちんとMRI検査しておくと安心です。
編集部
顔面痙攣を放っておくと、どんどん重症化していきますか?
田辺先生
目の周り→頬→口角と、範囲が広がるように重症化していくこともあれば、初期であればそのままにしていても一時的におさまるなど、個人差があるでしょう。ただし、長くなると自然に治ることはほぼありません。
※この記事はMedical DOCにて【顔面痙攣(けいれん)は病気? 医師が顔の痙攣の治療・手術を解説 病院は何科に行くべき?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
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