母の涙
数日後、母と2人きりで会っていた際「あなたがいじめにあっていたとき、お母さんに学校に乗り込んだり、加害者と直接話したり、もっとしてあげられることがあったのかもしれない。ごめんなさい」と泣き出してしまいました。
母は義母の話を聞いて、当時自分の行動が正解だったのか? と思い悩んでいたようです。
私は母の言葉に「いろんな人がいて、いろんな守り方があると思うの。だから、義母のやり方は1つの方法だと思うし、間違いではないと思う。だけど私は当時、お母さんが『あなたは賢い子』だって励まし続けてくれたことに救われていたの。だから謝らないでほしい!」と、当時を振り返り感謝を伝えました。
随分前のいじめ問題は、当時から現在まで、当事者の私だけでなく母をも悩ませていたのです。
いじめはあってはならないことですが、十数年越しに母とお互いの気持ちを話せたことはよかったことだと感じています。
【体験者:30代・女性自営業、回答時期:2024年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Emi.A
夜の世界での接客業を経て、会社員に転身。その経験を生かして、男女の人間関係を中心にコラムを執筆。結婚と出産の際に会社員として苦労した経験を経て、働く母親世代の思いにも寄り添うべく、執筆業専門に転身。現在は、男女関係、ワーキングマザーのリアルを描くライティングを行う。