末期のうつ病では、日常生活が困難になる程の無気力感や絶望感が強まり、自傷行為や自殺念慮が現れることもあるため、早期発見と適切な治療がとても重要です。
本記事ではうつ病の末期症状について以下の点を中心にご紹介します。
・うつ病の初期症状・末期症状
・うつ病の治療経過
・うつ病の末期症状に対する治療法と過ごし方
うつ病の末期症状について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。
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監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)
専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
うつ病の初期症状・末期症状
うつ病とはどのような病気ですか?
うつ病は、脳内の神経伝達物質である”セロトニン”や”ノルアドレナリン”のバランスが崩れることで、心と身体に深刻な不調を引き起こす病気です。単なる一時的な落ち込みとは異なり、長期間にわたり気分が落ち込み、”眠れない”、”食欲がない”などの症状が続きます。
さらに、重症化すると自己否定感や無気力感が強まり、自傷行為や自殺念慮が生じることもあるため、命に関わる重大な疾患です。
しかし、うつ病は、適切な治療を受けることで回復が見込めるため、早期発見と治療が重要です。
うつ病の初期症状を教えてください
うつ病の初期症状は見過ごされがちですが、以下のような症状が現れます。
・気分の落ち込み:長期間にわたる憂鬱感や悲しみが続き、気持ちが晴れない状態が続きます。
・興味や喜びの喪失:以前楽しんでいた趣味や活動に対する興味を失い、何をしても楽しめないと感じます。
・疲労感と倦怠感:体力が落ち、ちょっとした活動でも疲労を感じやすくなります。
・睡眠の問題:不眠や早朝覚醒、逆に過眠など、睡眠パターンが乱れます。
・食欲の変化:食欲が極端に増えるか、減少し、体重の変動が起こることがあります。
・集中力の低下:仕事や勉強に集中できず、思考が鈍くなることが多くなります。
・自己評価の低下:自身に自信が持てず、”自身は役に立たない”と感じるようになります。
これらの症状が続く場合、早めに医師へ相談することが重要です。
うつ病の末期症状を教えてください
うつ病が進行した場合、以下のような末期症状が見られることがあります。
・強い自責感や無価値感:自身を責めたり、自身には価値がないと感じる思いが強くなります。
・死への願望:死にたいという気持ちが強まり、自殺念慮や自殺行動に至ることもあります。
・食欲の極端な低下と体重減少:食事を取ることすら苦痛になり、体重が著しく減少することもあります。
・幻覚や妄想:現実ではないことを信じ込む妄想や幻覚が現れる場合があります。
・極度の疲労感や無気力感:身体を動かす気力が出ず、布団から出ることさえ困難になることも少なくありません。
これらの症状が現れた場合、 一刻も早く医師の治療を受けることが必要です。
うつ病の治療経過
うつ病の急性期について教えてください
うつ病の急性期とは、発症から治療開始後1〜3ヶ月の期間を指し、うつ病の症状が強く現れる時期です。
この期間は、心身の疲労を回復させるため、ストレスの原因からできるだけ離れ、生活環境を整えることが求められます。症状が重い場合、入院が必要になることもありますが、薬だけに頼らず、生活習慣の見直しも治療の一環となります。
うつ病の急性期を乗り越えることで、その後の回復が順調に進むケースが多いといわれているため、心身の休息を最優先にしましょう。
うつ病の回復期はどのくらいの期間が必要ですか?
うつ病の回復期は、急性期を過ぎた後、徐々に症状が軽減していく期間で、4〜6ヶ月程かかるとされています。この時期は気分や体調が日によって変わりやすく、一進一退の状態が続くことが多いとされています。
ただし、調子がよいと感じても、自己判断で薬をやめたり無理をすると症状が悪化する危険があるため、注意が必要です。また、社会復帰を急ぐことも避け、生活リズムを整えながら少しずつ活動を増やしていくことが大切です。
うつ病の再発予防期の注意点を教えてください
再発予防期とは、治療開始から1〜2年の間の症状が安定した期間を指しますが、うつ病は再発しやすいため、油断は禁物です。
急に薬をやめると、めまいや倦怠感、吐き気などの副作用が生じる可能性があるため、服薬の管理にも注意が必要です。また、自身では気付きにくい再発の兆候を周囲のサポートで早期に察知することも重要です。
気分の落ち込みやイライラ、睡眠障害などの初期症状が再発のサインとなるため、家族や友人に協力を求めておくといいでしょう。うつ病の再発予防期には、日常生活では無理をせず、ストレスを減らしながら安定した生活を維持することが再発防止につながります。
配信: Medical DOC