「第1回全国冷凍野菜アワード」(主催は日本野菜ソムリエ協会)の授賞式が11月19日に都内で行われた。国産冷凍野菜の活性化や冷凍野菜メーカーの商品開発力の向上などを目的に実施された賞だ。国産冷凍野菜の認知を高めることで、日本の農業を盛り上げていくことも目指している。今回、最高金賞にマルハニチロの「北海道十勝産ピュアホワイト」と、イシハラフーズ(宮城県都城市)の「オーガニックほうれん草」、芽室町農業協同組合の「十勝めむろ えだまめ」の3品が選ばれた。
「第1回全国冷凍野菜アワード」は、価値ある「冷凍野菜」を評価・認証し、社会へその魅力を発信することで「冷凍野菜」の価値を広めていくことを目的とした品評会だ。
発起人は冷凍王子こと西川剛史氏で、西川氏と野菜ソムリエの計9人が、冷凍野菜を味や使いやすさ、デザイン、開発ストーリー、環境配慮の観点から評価している。
農林水産省のデータによれば、2020年の農業従事者数は2005年比で39%減の136万人、うち65歳以上が全体の70%を占めている。冷凍野菜は輸入が95%、国産はわずか5%しかなく、国産の冷凍野菜は非常に少ない状態にある。
その一方、家庭での冷凍野菜の活用は今後盛り上がる可能性があるという。下処理済みかつカット済みで、必要な時に必要な量を利用できるほか、長期間保存できるため、フードロスの削減にもつながるという。さらに、季節を問わずに安定的に手に入るほか、採れたてを凍結しているものも多くあるため、状態が悪くなりやすいオーガニックでも安定した品質で活用できる。
今回のアワードでは、国産の冷凍野菜に焦点を当て、これを盛り上げることで、国産冷凍野菜の市場を活性化させ、日本の農業を盛り上げることにつなげることを目的としている。
今回のアワードで最高金賞を獲得したマルハニチロの「北海道十勝産ピュアホワイト」は、収穫できる量の少ない希少なピュアホワイトコーンを手軽に購入できる点などが評価された。
イシハラフーズの「オーガニックほうれん草」は自社で育てた国産のオーガニックほうれん草という点などが評価された。
芽室町農業協同組合の「十勝めむろ えだまめ」は、程よい塩気と枝豆らしい味のどちらも感じられ、1回で使い切れる量である点などが支持された。
西川氏は「第2回、第3回とこの賞を続け、冷凍野菜を広く知ってもらうきっかけになれば」と語った。
【受賞コメント】
▽マルハニチロ、農畜産ユニット農産事業部農産加工課チームリーダーJGAP指導員、須川潔氏
「品質を保つために日ごろ苦労している生産者のものづくりに光を当てていただいたことは我々にとっても励みになる。明日からも頑張って取り組みたい」。
▽イシハラフーズ、石原祥子代表取締役社長
「自社で育てた野菜を冷凍野菜として販売しており、今回のほうれん草の味が評価され嬉しい。オーガニックの冷凍野菜をもっと知ってもらえたら」。
▽芽室町農業協同組合、堀井和宏代表理事専務
「プライベートブランドなどで採用されているが、自分たちの名前で受賞したことは嬉しい。地元に帰ったら報告したい」。
受賞企業名商品名最高金賞芽室町農業協同組合十勝めむろ えだまめ最高金賞イシハラフーズ株式会社オーガニックほうれん草最高金賞マルハニチロ株式会社北海道十勝産ピュアホワイト金賞日本生活協同組合連合会CO・OP国産野菜のみじん切りミックス金賞イシハラフーズ株式会社九州産汁物ミックス野菜金賞株式会社ニチノウmikata国産彩り野菜ミックス特別賞株式会社中里青果imonoutaだしトロロ入賞ホクレン農業協同組合連合会北海道中礼内村産味風香入賞株式会社ニチノウmikata北海道産きたあかり焼きじゃがいも入賞SucSeed株式会社冷凍ヤバ芋入賞株式会社西友みなさまのお墨付き 九州産カットほうれん草 大容量入賞株式会社ニッスイ宮崎産ほうれん草
〈冷食日報2024年11月21日付〉
配信: 食品産業新聞社ニュースWEB