今ある全てに喜びを感じ、あるもので満足していく / 8×10 / PIXTA(ピクスタ)
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現在、二女一男の父でもある、お笑いコンビ・麒麟の田村裕さんによる、ポジティブでストレスが溜まらない「子育て」「夫婦仲」「人間関係」の正解。
壮絶だった生い立ち、『ホームレス中学生』の大ベストセラー、いつの間にか逆転していた相方との格差…様々な経験があったからこそ得られていった人生観。
田村さんが提案する、夫婦生活を続け、育児を楽しみ、毎日を笑って生きていく秘訣とは?
※本記事は田村裕著の書籍『ホームレスパパ、格差を乗り越える 何も変わらなかったから考え方を変えた』から一部抜粋・編集しました。
何に喜びを感じるか
これは、人生の価値観の話になります。
無いものねだりをしていませんか?
喜びの多い方は捉え方が全く逆です。あるもので満足します。手の届くもので満足している方は不平不満を言いません。
ロケで街頭インタビューをしていて、面白い映像を作りたくて不平不満を言わせようとパスを出しますが、こんなに恵まれているのに文句を言ったらバチが当たるわ!とおっしゃる方がたまにいらっしゃいます。じゃあその人がそんなに恵まれている人生なのかというと、失礼に聞こえるかも知れませんが、皆さんとさほど変わらないのではと感じます。皆さんと大差ない苦楽を味わう人生だと推察します。
毎日が楽しくないわ、どっか旅行にでも行きたいなぁと、日常と旅行の楽しさを比べていたら、そりゃあ旅行の方が楽しいので、毎日の方は楽しくなく感じてしまうと思います。
その日常がどれだけ恵まれているものなのかを、改めて感じてほしいです。毎日同じ仕事があることはとても幸せなことです。自分で晩ご飯のメニューを選べることはとても幸せなことです。布団やベッドで自分の寝る場所が確保されているなんてヤバいくらい恵まれています。
仕事があることの幸せを感じなくてはいけません。本当に働きたいのに働けない人はたくさんいます。値段はさておき、自分で食べたいものを選んで食べられることは絶対に幸せなことです。それら全てに感謝して、自分が成長していく糧にするのです。そして満足していくのです。
母親が他界して、この世で一番不幸なのは僕だと考えた時期もありました。その時はさすがに落ち込みました。誰かが他界した時にまでポジティブでいろとは言いません。でもいつまでも落ち込んでいてはいけないのです。他界した愛すべき人を安心させるためにも、新たな幸せ、喜びを見つけて人生を楽しんで、前を見て生きていかなければならないのです。大好きな人と一緒に過ごした時間に感謝して喜びを感じましょう! 離れてしまった悲しみにいつまでも打ちひしがれていてはいけないのです。
コンプレックスについても同じです。
僕は芸人なのに滑舌が悪いです。それをいつまでもネガティブに捉えて落ち込んでいてはいけないのです。最大限に努力はしつつも、それでも出来ないのなら、落ち込むのではなく「味」としてそんな自分を許し認めるのです。周りは案外、最初からそんなことはわかっていて、嚙まずにペラペラ喋ることは望んでいない、ということも多いです。それなら最初から嚙まない人をキャスティングします。でもここまで嚙むとは思わんかった、なんてケースもあるでしょう! それも良いじゃない! 人生なんだからミスもあって良いじゃない! 出来なかったと落ち込む夜も愛そうじゃないか! 出来なかったと次の日も落ち込んで現場に来られても、昨日のスタッフさんが居なかったら意味わかりませんよ。次の日のスタッフさんからしたら、ただ落ち込んで現れた心の不安定なやつですよ。
そんな自分も許し、次の日には切り替えて気持ちをフレッシュにしてこそ、毎日を楽しむことが出来るのです! 嫌なことがあっても良い部分を見て切り替える。嬉しいことがあったら素直に喜んで少しでも長くそのことを喜ぶ(周りへの嬉しいアピールをするのは適量で)。
「あるもの満足」
今ある全てに喜びを感じ、あるもので満足していく。
それが、「いつも機嫌の良い自分」への近道だと僕は思うのです。
【著者プロフィール】
田村 裕(たむら ひろし)
1979年9月3日生まれ、 大阪府吹田市出身。NSC大阪校20期生。99年に川島明とお笑いコンビ・麒麟を結成。2001年には第1回M-1グランプリで無名ながら第5位の成績を収める。07年に自伝的小説『ホームレス中学生』を発売しミリオンセラーに。ドラマ化、映画化もされ社会現象となった。バラエティ番組などに出演するほか、バスケ芸人としても活躍中。11年に結婚し、3児の父となる。
著=田村裕/『ホームレスパパ、格差を乗り越える 何も変わらなかったから考え方を変えた』
配信: レタスクラブ
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