肺がんを疑う肩こりの特徴とは?Medical DOC監修医が肺がんの初期症状・原因・なりやすい人の特徴などを解説します。
≫「肺がん」を発症すると「痛みを感じる場所(部位)」はご存知ですか?【医師監修】
監修医師:
後藤 秀人(後藤内科医院)
浜松医科大学医学部卒業。横浜市立大学附属市民総合医療センター呼吸器内科助教、横浜医療センター呼吸器内科部長などを歴任後の2018年、神奈川県藤沢市の「後藤内科医院」を継承。呼吸器、アレルギー診療を専門とし、内科全般について地域に根差した診療に従事している。
日本内科学会 総合内科専門医、日本呼吸器学会 専門医・指導医、日本アレルギー学会 専門医、日本がん治療認定医機構 がん治療認定医、インフェクションコントロールドクター(ICD)などの資格を有する。
「肺がん」とは?
肺は体に酸素を取り入れ、過剰となった二酸化炭素を外に出す役割を担っています。肺の気管支や肺胞ががん化したものが肺がんです。肺がんは初期では症状がみられないことも多いです。よく見られる症状としては、咳や痰、血痰、胸痛、息苦しさ、倦怠感などですが、肺がんは進行に伴い発生する部位によっていろいろな症状を認めることもあります。
肺がんを発症すると肩こりにどんな特徴が現れる?
肩こりは、肺がんの特徴的な症状ではありません。しかし、肺がんができた部位により肩こりのような痛みの症状がみられることがあり、肩こりがきっかけで肺がんが見つかることもあります。肺がんで起こる肩の痛みの特徴について解説をいたします。
長く持続する痛み
肺の上部(肺尖部)に肺がんができ、このがんが大きくなり肺を取り囲む胸膜や胸壁まで浸潤すると、首や肩の痛みが現れることがあります。
また、肺がんは骨転移を起こしやすいです。鎖骨や頸椎など肩に近い部位への骨転移が起こった場合にも肩の周囲の痛みがおこり、これを肩こりと感じる方もいるかもしれません。肩こりでは、筋肉の緊張の具合で痛みが改善したり悪化したりを繰り返すことが多いですが、肺がんからの肩の痛みでは痛みは持続することが多いです。また、湿布や通常の痛み止めではなかなか効きにくいこともあります。このような特徴があった場合には注意が必要です。
マッサージなどの効果がない痛み
通常の肩こりは、肩甲骨周囲の僧帽筋などの筋肉が緊張した状態をいいます。無理な姿勢を続ける事で筋肉が緊張した状態が続き、痛みが起こります。温めたり、筋肉をマッサージでほぐしたり、ストレッチをすることで改善することが多いです。しかし、肺がんから起こる肩の痛みでは、マッサージなどは効果がありません。肺がんからの痛みの場合には、マッサージをしても痛みが続くことが多いです。
このように痛みが持続し、通常肩こりに良いとされているようなマッサージなどが無効である場合、一度整形外科もしくは内科を受診して相談をしてみましょう。
配信: Medical DOC