街全体を見渡せる眺望などステータス感溢れるタワマン。転勤とともに憧れのタワマンに引っ越してきた、渕上家。息子の悠真が近所の野球チームに所属すると、一気にエースになった。それをよく思わないのが、最上階に住むボスママの恵。エースの座を奪われたことで、渕上家に風当たりが強い。なかなか都会に馴染めない渕上家だったが、同じマンションの住人と関わることでさまざまな問題にぶつかる、グラハム子(@gura_hamuco)さんの新刊「タワマンに住んで後悔してる」を紹介する。
■都心のタワマンで暮らす3家族の虚栄と内情を描く
本作は、原作ベースのセミフィクション。漫画を描いたグラハム子さんは「私は原作が出来上がってから、漫画を描き始めました。なので漫画担当兼、最初の読者という感じです」と携わった経緯について教えてくれた。「私は東京に住んだことがないのですが、東京出身のママ友が何人かいて、その方たちにお話を聞いたり。東京と地方って同じ日本なのに、結構価値観が違うんですよね」と話すグラハム子さんだが「主人公が子持ちの主婦で私と同じ立場。ママたちの会話や仕事と母業の葛藤、子どもの教育への悩みなどは私の日常でもあるので、自然に情景が浮かんで描けました」と原作から自然に漫画を描けたようだ。
居住階の低層から高層でランクが違うというヒエラルキーが存在する都心のタワマン。そこで暮らす3家族の虚栄と内情を描く本作。このようなヒエラルキーの怖さについて、グラハム子さんは「家に帰っても心が休まらないのは辛いです。でもその分、家以外の場所だったら『タワマンに住んでいる』という優越感が持てるのかもしれません。私ももし知人が東京のタワマンに住んでいるなんて聞いたら、何階だろうが凄い!って思いますもん」と打ち明ける。
本作の見どころについて、グラハム子さんは「本作に出てくる3家族それぞれの、外側から見えるイメージと内側の実情の違い。そして、他者からは外側しか見ることができないからこその心情や葛藤。皆人生で一度は経験したことがある人間の複雑な心をわかりやすく表しているのがこのタワマンなのかもしれない」と話す。ただのセレブたちのドロドロ嫉妬劇ではない本作。ぜひ読んでみてほしい。
取材協力:グラハム子(@gura_hamuco)
配信: Walkerplus
関連記事: