「母を見捨てるのは無理!」数分で忘れる母…たとえ失望したとしても #母の認知症介護日記 133

「母を見捨てるのは無理!」数分で忘れる母…たとえ失望したとしても #母の認知症介護日記 133

アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。

母・あーちゃんがなくしたと言う通帳や実印を探すのと、甘い物をこっそり食べていないかをチェックするため、近いうちにあーちゃんの家に行こうと思っていたワフウフさん。しかし、家には折り合いの悪い父がいるので、顔を合わせないようにあーちゃんに父の在宅予定を電話で確認しました。すると、その話の流れであーちゃんが父と自分の部屋で、一緒に通帳探しをしたことが判明。その話を聞いたワフウフさんは、思わず「通帳が見つかった取られちゃう!」と声を荒らげてしまいました。今まであれだけ用心していたはずなのに、あーちゃんは何もかも忘れているようです……。

子の心、親知らず!?

仕事中の姉・なーにゃんから、あーちゃんの電話に出られなかったと連絡が入ったので、代わりに用件を聞くためにあーちゃんに電話をしたワフウフさん。どうやらあーちゃんは区役所にいて、何をしているのかよくわかっていない様子。嫌な予感がして聞いてみると、やはり父と一緒にいました。あれだけ言ったのに父と行動するあーちゃんに、ワフウフさんは怒りを通り越してあきれてしまい、以降の対応は姉・なーにゃんに任せることに。日を改めて、姉と父が話し合うことになりました。

あれだけ止めていたのに、父といろいろな手続きをするために一緒に出掛けていたあーちゃん。……悪気がないのはわかるけれど、モヤモヤが止まりません。

認知症になる前は、こう言っていたはずなのに……。

※たんたん:ワフウフさん姉妹の父、あーちゃんの夫

あーちゃんの意思を守るため、姉妹で協力しながらなんとかやってきたけれど、さすがにショックです。

今日はあーちゃんの持病である糖尿病の病院に行く日。ここ最近のいざこざは、あーちゃんの記憶には残っていないようです。

腹立たしい気持ちはあったものの、実際にあーちゃんの顔を見ると哀れに思えてきて、複雑……。

あーちゃんなりに、いろいろな感情を抱えて行動しているのかと思うと、一方的に責める気にはなれませんでした。

ちなみに、この前ウィッグを買いに行ったことはすっかり忘れていて、なくしたウィッグを見つけたと思っているようです。それで楽しく出掛けられるなら、この際どちらでもいいですが。

ただ、前回ほどではないものの、やはり不穏な雰囲気は漂っています。

すると、薬がなくなったと言いだしたあーちゃん。翌日は認知症の病院を受診する日だったので、そこで出された薬と合わせて渡す予定だったので、これは合っています。

それを何度も説明したのですが、理解できなかったようで……。

一度は納得したと思っても……。

無限ループに突入してしまうのでした。

やっぱり、いくら失望したからといっても、こんな状態のあーちゃんから手を引くなんて無理です。

私たちが何度強く言ったところで、あーちゃんには届かず……。あーちゃんの財産を狙う父とともに、銀行関係のあらゆる手続きに回っていました。認知症になる前、あーちゃんは父には一銭も渡したくないと言っていて、その意思を守るべく私たち姉妹はあーちゃんを支えてきたつもりです。病気のせいとはいえ、それを自らダメにしてしまうあーちゃんに、私はひどく失望してしまいました。

ちなみに、ウィッグを新調したこともすっかり忘れたらしく、姉のもとには「ウィッグが見つかった」といったメールが届いていました。結果として、あーちゃんが前向きに出掛けられるのなら、それが一番ですが。

そして迎えた病院の日。今日は糖尿病の診察の日です。あーちゃんに失望しつつ、同情心も湧き出ていて、複雑な気持ちで付き添いに向かったのですが、この日もまだまだ不穏な空気を漂わせていたあーちゃん。翌日に認知症の病院に行く予定となっているので、今日は診察だけで薬はもらわないのですが、それが理解できずに何度説明しても「薬がない!」と繰り返します。こんな状態で手を引くなんて……さすがに無理!

--------------

姉妹で時間をやりくりしながら、病院の付き添いや貴重品の管理をしてきたワフウフさん姉妹にとって、あーちゃんが夫婦で連れ立っていろいろなところへ行くのを見るのは複雑な気持ちになってしまいますよね。あーちゃんに悪気はなく、隠そうともしていないのもつらいところです。介護は先が見えない闘いでもあるので、自分なりにこういったプチストレスとの向き合い方を見つけておくのも大事なのかもしれません。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

著者/ワフウフ
昭和を引きずる夫、成人した息子娘を持つ50代主婦。実母のアルツハイマー型認知症発覚をきっかけに備忘録としてAmebaでブログを始める。2019年一般の部にてAmebaブログオブザイヤー受賞。
2023年4月、書籍「アルツフルデイズ 笑いと涙の認知症介護」発売。

関連記事:

配信元

介護カレンダー
介護カレンダー
「介護」は、必要になる年齢も、その期間も、人によってさまざま、先が見えません。そしてそれは突然やって来ます。特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホーム、サービス付き齢者住宅など、名前を聞いたことはあるけれど、いざ入居の検討を始めるとなると、わからないことばかりで、なかなか先に進めません。介護カレンダーは、そんな「介護に対する不安」をおもちのかたに向けた情報サイトです。
「介護」は、必要になる年齢も、その期間も、人によってさまざま、先が見えません。そしてそれは突然やって来ます。特別養護老人ホーム、介護付き有料老人ホーム、サービス付き齢者住宅など、名前を聞いたことはあるけれど、いざ入居の検討を始めるとなると、わからないことばかりで、なかなか先に進めません。介護カレンダーは、そんな「介護に対する不安」をおもちのかたに向けた情報サイトです。