10〜20代に多いがん「ユーイング肉腫」をご存知ですか? 初期症状を併せて医師が解説

10〜20代に多いがん「ユーイング肉腫」をご存知ですか? 初期症状を併せて医師が解説

ユーイング肉腫の前兆や初期症状について

ユーイング肉腫の初期症状は、腫瘍が発生する部位により異なりますが、主に骨盤や上下肢の骨、胸壁や脊椎に生じることがあり、一般的には痛みや腫れがよく見られる症状です。
特に上下肢の骨のような長管骨の中央付近に生じやすいとされています。また、この痛みは特に夜間に悪化することが多く、通常の筋肉痛や関節痛と区別がつきにくいことがあります。また、患部が腫れることで、皮膚が赤くなったり、熱感を伴うこともあります。
進行すると、腫瘍が大きくなることで局所的な圧迫症状が現れ、例えば、脊椎に発生した場合には神経圧迫による麻痺や感覚障害が生じることがあります。また、発熱や体重減少などの全身症状も見られることがあります。
症状が現れた場合は小児科または整形外科などを受診しましょう。

ユーイング肉腫の検査・診断

ユーイング肉腫の診断には、画像検査と病気の一部を取り出して顕微鏡などでみる病理検査を行います。

画像検査
まずX線検査やMRI、CT、PET-CTなどの画像診断が行われます。これにより、病変の位置や大きさ、周囲組織への浸潤の程度を確認し、周囲の臓器との位置関係を正確に把握することができます。ほかにも転移を起こしやすいとされている肺や他の骨の状態も同時に確認することができます。

病理検査
確定診断のためには、腫瘍の一部を採取して行う生検が不可欠です。病変から一部の組織を採取し、組織学的にユーイング肉腫と診断することができます。顕微鏡を用いて形態をみるだけでなく、前述のEWSR1-FLI1融合遺伝子などの遺伝子変異を確認するために、分子生物学的検査も行います。

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