黒目が擦りむけた状態になる「角膜びらん」どのように治療するのか医師が解説

黒目が擦りむけた状態になる「角膜びらん」どのように治療するのか医師が解説

角膜びらんの前兆や初期症状について

角膜びらんは急性で発症することが多いため、前兆を自覚するのは難しいでしょう。

軽度の角膜びらんの初期症状は、眼に関する不快感です。
主な症状は、眼の痛みや充血、ゴロゴロとした異物感、光の過敏性(まぶしさ)、などで、涙がたくさん出るのも特徴です

角膜びらんの検査・診断

角膜びらんの診断には、細隙灯顕微鏡検査が使用されます。
他の眼疾患の感染や全身性の病気が疑われる場合は、検体検査や血液検査をおこなうこともあります。

細隙灯顕微鏡検査

細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査は、光を当てながら顕微鏡で角膜の状態を確認する検査です。
より正確に診断するために、フルオレセインという蛍光試薬を点眼してから検査することがあります。
フルオレセインにより、角膜の傷や異常が鮮明に浮かび上がるため、びらんの範囲や程度を正確に把握できます。

検体検査

検体検査は角膜にウイルスや細菌の感染が疑われた場合におこないます。
疑われる病変部位から角膜の一部を採取して、顕微鏡による観察や培養検査をおこないます。
原因となる病原体を特定することで、感染症の診断だけでなく、治療法の選択にも重要な役割を果たします。

血液検査

角膜びらんの原因や関連疾患を確かめるために血液検査をおこなうことがあります。
血液検査では角膜ジストロフィーや糖尿病などの病気を調べるために、病気の原因だと考えられる遺伝子や血糖値、HbA1cなどの値を測定します。
検査結果から適切な治療方針や、再発予防の生活指導の内容を決めていきます。

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