黒目が擦りむけた状態になる「角膜びらん」どのように治療するのか医師が解説

黒目が擦りむけた状態になる「角膜びらん」どのように治療するのか医師が解説

角膜びらんの治療

角膜びらんの主な治療は、眼の洗浄や、点眼薬や眼軟膏による薬物療法になります。
薬物療法をしても再発する場合は、治療用コンタクトレンズの装着や角膜表層穿刺、レーザー治療なども選択されます。

眼の洗浄

できるだけすみやかに眼を洗浄することで、角膜の損傷の進行を防ぎます。
生理食塩水で眼球表面を洗浄し、異物や有害な液体を除去します。
アルカリ性の液体が入った場合は、より慎重な対応が必要で中性になるまで10分以上洗浄します。

薬物療法

軽症の場合は、感染を予防するための抗菌点眼薬や、はがれた上皮を再生させるためのヒアルロン酸点眼薬を投与して経過を見ます。
症状が強い場合は、抗菌薬の眼軟膏を塗布して眼帯を装着します。

治療用コンタクトレンズの装着

治療用コンタクトレンズは、接着の弱い上皮を保護するためにおこない、びらんが再び発生するのを防ぎます。
角膜がはがれ落ちるのを防ぐことで、正常な上皮を再生させる効果も期待できます。

角膜表層穿刺

角膜表層穿刺はがれた角膜の上皮を、27G針という細い針で角膜に埋め込む治療です。
再発時にある程度上皮が再生した頃におこなうと、接着機能が産生される効果があります。

レーザー治療

エキシマレーザーを当てて異常な上皮を切除する手術です。
接着力が落ちている上皮を切除することで、再発を防ぐ効果が期待できますが、自費診療であるため、患者の費用負担が大きくなります。

角膜びらんになりやすい人・予防の方法

角膜びらんになりやすい人は、ドライアイの人やコンタクトレンズを不適切に使用する人、糖尿病や角膜ジストロフィーの人などが挙げられます。
眼をこする癖があったり、マスカラなどの化粧をしたりする人も、誤って指や化粧品が眼に入ったときに発症することがあります。

予防法としては、意識的なまばたきや角膜を保湿する点眼薬によって、眼の乾燥を防ぐことが大切です。
コンタクトレンズは使用した後に正しく洗浄し、就寝時に必ず外して適切な使用と管理を心がけましょう。
日常生活では眼をできるだけこすらないように意識し、異物が入った場合は清潔な水で洗い流してください。
化粧品を使用するときは、眼に入らないように注意を払い、就寝前に必ず落とすことが重要です。

関連する病気

再発性角膜上皮びらん

角膜ジストロフィー

糖尿病春季カタル角膜潰瘍角膜ヘルペス角膜炎はやり目

びまん性角膜上皮症

翼状片

参考文献

公益社団法人日本眼科医会角膜の病気

日本医事新報社角膜上皮疾患

あたらしい眼科23Q9治療用コンタクトレンズの適応と管理の注意点について教えてください

日本眼科学会雑誌糖尿病角膜症

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