原発性胆汁性胆管炎の前兆や初期症状について
診断時には無症状の場合が多く「血液検査の肝臓のマーカーが高い」→「原因を探していたら原発性胆汁性胆管炎が見つかる」という流れが一般的で (参考文献 2, 3) 、長期間無症状で病気が進行していると考えられます。初期症状として多いのは疲労感 (2人に1人) や痒み (3人に1人) です (参考文献 2) 。黄疸の原因となることで知られているビリルビンですが、皮膚の痒みはビリルビンの血中濃度が高くなることで出てくる症状の1つです。本来は胆汁に混ざって排出されるはずのビリルビンが身体に溜まることは、胆汁の流れが滞っていることを示唆しています。
その他にも胆汁がきちんと排泄されないことによる症状として、黄疸のほか目の周りが黄色くなることがあるほか (眼瞼黄色腫) 、病状が進行すると肝障害が前面に出てきて、肝硬変や食道や胃の静脈が腫れる食道胃静脈瘤、腹水、肝臓癌が現れることがあります (参考文献 3) 。
「身体がだるい」「全身の痒みがある」という症状は軽く思われがちかもしれません。これらの症状の精査をしていくうちに原発性胆汁性胆管炎をはじめとした肝臓などの疾患が見つかることがありますので、我慢せずにお近くの内科を受診してください。
原発性胆汁性胆管炎の検査・診断
血液検査で肝・胆道関連のマーカーが上昇している場合や、右上腹部の不快感、原因不明の痒みや疲労感、黄疸、体重減少がある場合に「胆道系に何かあるな…」と疑います (参考文献 2) 。
原発性胆汁性胆管炎で上がることの多い自己抗体 (抗ミトコンドリア抗体) が知られているほか、画像検査で肝臓の外の胆管が詰まっていないか確認したり、肝臓の一部をとって顕微鏡で肝内胆管の状態を目で見て確かめる検査をしていきます (参考文献 2, 3) 。
配信: Medical DOC