「拒否すれば中学校生活に支障が…」被害者が悲痛な証言 教え子への性的暴行の罪に問われた元校長は一部否認

「拒否すれば中学校生活に支障が…」被害者が悲痛な証言 教え子への性的暴行の罪に問われた元校長は一部否認

●「自分と同じような被害者が出ないように」

起訴内容にあった14年前のことについて検察側から聞かれると、「その日はされたことの程度がひどかったと記憶しています。引き裂かれたような痛みもありました」とAさんは証言した。

一連の行為により、Aさんの中で、被告人は「尊敬する先生」から「軽蔑する、心底嫌な人」という存在に落ちていったという。証言の中で繰り返されたのは、Aさんから被告人に好意を寄せたことがなかったということだ。

卒業後は、「辛い記憶」として思い出さないようにしていたというAさんが、法廷で証言しようと思ったのは、Bさんのことを知ったからだという。

報道によると、被告人が逮捕されたのは、Bさんが東京都の教師による性暴力について相談する窓口に相談したことがきっかけだった。被告人がAさんの動画を所持していたことから、去年の夏に警察からAさんに連絡があり、自分以外にも同じような被害者がいたことを知ったという。

被害を打ちかける気持ちになったのは、「今後、私と同じようにつらい思いをする人が出たら嫌だなと思ったからです」とAさんは語った。

長年勤めた教職を懲戒解雇となり、現在はビル清掃の仕事に就いているという被告人。「2度と子どもに関わる仕事はしない」と弁護人は述べた。

最終的に法廷がどう判断するにしても、被告人が失った教え子たちからの信頼は、2度と戻ることはないだろう。

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