天気予報の「降水確率」は雨量や強さとは直接関係ない!?


降水確率は雨の強さや降る量、降り続ける時間などとは関係がない。 / (C)らい/PIXTA(ピクスタ)

地球上で起きていること、どれだけ知っている?

この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」

そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。

※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。

「降水確率」は雨量や強さとは全く別物だった?

天気予報で「今日の降水確率は20パーセント」と聞くと、「雨が降ってもたいしたことはないな、傘を持っていくのはよそう」などと思いがちだ。しかし、降水確率は雨の強さや降る量、降り続ける時間などとは関係がない。

気象庁が発表している降水確率とは、ある地点で1ミリメートル以上の雨または雪が降る確率のことで、気圧配置など、過去の同じような大気状況の際、どのくらいの比率で雨が降ったかをもとに算出している。

少しややこしいが、これは野球のバッターの打率に置き換えるとすんなりわかる。100回打席に立ったバッターが安打を30本打っていれば、打率は3割である。だが、その安打とは、ラッキーな当たりの内野安打でも場外ホームランでも同じ1安打として記録されているのである。

降水確率も、1ミリメートルの小雨だろうが強烈な集中豪雨だろうが、同じ1回の降雨として数え、それをもとに算出しているのだ。

たとえ降水確率が0パーセントでも、まったく雨が降らないと考えてはいけない。降水確率は、四捨五入した10パーセント刻みで発表されるため、4パーセントでも降水確率はゼロということになる。

気象庁は、1959年に日本で初めて科学計算用の大型コンピューターを導入した官公庁である。その後、気象衛星による正確な観測データが得られるようになったこともあり、1980年から降水確率の発表を開始した。降水確率が大きく外れたのは年間30日以下というから、だいたいは当たっていることになる。

集中豪雨など、強い雨が降る可能性があるときは、それも発表されるので、降水確率だけで判断しないようにするといいだろう。

著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』

関連記事: