胃ポリープができやすい人の特徴
以下のような特徴や生活習慣を持つ人は、胃ポリープができやすい傾向があります。
ピロリ菌非感染者
ピロリ菌に感染していない胃には胃底腺ポリープが見られることが多いとされています。胃底腺ポリープはがん化が極めて稀なので経過観察をします。
胃薬を内服している人
胃底腺ポリープは胃酸分泌を抑制する胃薬を長期服用により新たに発生したり、増加するという報告があります。
ピロリ菌感染者
ピロリ菌によって胃の粘膜に炎症が起こり、萎縮性(いしゅくせい)胃炎を起こします。この萎縮性胃炎は過形成性ポリープの発生源となります。ピロリ菌の感染者の方には除菌治療がおすすめです。
胃ポリープを放置するとどうなる?
胃ポリープを放置すると、以下のようなリスクがあります。
がん化
特に胃腺腫はがん化のリスクがある前がん病変であるため早期発見・治療が重要です。その他に過形成性ポリープのごく一部もがん化の可能性がありますので、経過観察が必要です。
出血
ポリープが大きくなると、出血しやすくなります。貧血や吐血などを引き起こすこともあります。
胃の出口の閉塞
ポリープが大きくなりすぎると、胃の出口を塞いでしまい、吐き気や嘔吐などを引き起こすことがあります。
胃ポリープの検査法
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
消化器内科や内視鏡専門クリニックなどで、口から内視鏡を挿入し、食道、胃、十二指腸を観察します。ポリープを発見した場合、同時に組織検査を行うことも可能です。日帰りで可能です。
バリウム検査
バリウムという造影剤を飲んでレントゲン撮影を行い、胃の形状や病変の有無を調べる検査です。日帰りで行う検査です。
腹部超音波検査(エコー検査)
超音波を使って、胃や周辺臓器の状態を調べる検査です。日帰りが可能な検査です。
CT検査
X線を使って、胃や周辺臓器の詳細な断層画像を撮影する検査です。日帰りで検査できます。
胃ポリープの予防法
胃ポリープの予防には、以下の方法が有効です。
ピロリ菌感染の予防・除菌
ピロリ菌感染を予防・除菌することで、過形成性ポリープの発生リスクを低減できます。
ピロリ菌感染の予防のためには生水を飲まないことや、食事の際は、箸やスプーンなどを共用しないなどがあります。定期的にバリウムや胃カメラ、ピロリ菌検査を受けることも予防につながります。
胃炎の予防・治療を行う
胃炎を予防・治療することで、ポリープの発生リスクを低減できます。胃炎の予防のためには刺激物(香辛料、アルコール、カフェインなど)や塩分を控える、規則正しい食生活を送る、ストレスを溜め込まないで十分な睡眠をとるなどがあります。
定期的な検査
定期的な検査で早期発見・治療を行うことで、がん化のリスクを低減できます。症状がなくても、定期的に胃がん検診や内視鏡検査を受けましょう。
「胃ポリープの切除」についてよくある質問
ここまで胃ポリープの切除などを紹介しました。ここでは「胃ポリープの切除」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
胃ポリープの切除費用について教えてください。
齋藤 雄佑 医師
胃ポリープの切除費用は、ポリープの大きさや数、切除方法、入院の有無などによって異なります。日帰りでの切除の場合:3割負担の方で、1万円〜3万円程度が目安となります。数日間入院した場合、3割負担の方で、5万円〜10万円程度かかることもあります。高額療養費制度を利用して、医療費が高額になった場合、自己負担限度額を超えた分は払い戻しを受けることができます。
編集部まとめ胃ポリープを早期に見つけるため検査を受けよう!
胃ポリープは、自覚症状がないことが多いため、定期的な検査が重要です。ポリープの一部はがん化することがあるため、慎重な経過観察や早期治療を行うことが重要です。普段から食事や生活習慣を正した上で、定期的な胃がん検診や内視鏡検査を受けることでがん化のリスクを低減し、健康な胃を守ることができます。
「胃ポリープ」と関連する病気
「胃ポリープ」と関連する病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
消化器科の病気逆流性食道炎
胃がん
胃ポリープと関連するものとして、上記のような病気が挙げられます。それぞれの病気はお互いに関連していたり、似たような症状がみられたりします。定期的な検診で胃の病気を早期に発見するようにしましょう。
「胃ポリープ」と関連する症状
「胃ポリープ」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
胸やけ
食欲不振
胃の健康を守るためには、バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理、そして定期的な検査が大切です。少しでも気になる症状があれば、早めに医師に相談しましょう。
参考文献
胃がん(がん情報サービス)
胃ポリープ(日本消化器内視鏡学会)
配信: Medical DOC