先日、バラエティ番組で『令嬢アンナの真実』の元になった女詐欺師、アンナ・ソローキンが取り上げられていたのですが、こんなに詐欺や闇バイトが横行して油断できない世の中なのに、スタジオの出演者が皆さんアンナのことを称讃しまくっていました。
「すごーい」「 賢い」「たくましい」とかいう声が聞こえ、世も末かもしれないと思いました。こうやって犯罪をまるでクールなものかのように扱うから、世の中から犯罪が減らないのでは……。誰か一人でも「友だちを裏切ってお金をだまし取るなんて許されないこと」とかモラリストな意見を言ってほしかった気が……。それよりも最終的にインフルエンサーになれれば勝ち組なんでしょうか。まじめに生きるのがバカらしいと思ってしまう人もいそうです。
お金に対して抜け目ないアンナは、自分のエピソードをネットフリックスに売って、さらに巨額のお金を得ます。ふと思ったのが、水原元通訳も自分の話を売ったりしないか、ということ。ストーリーが感情移入できる感じだったら、アンナのように人気者として返り咲かないとも限りません。大谷翔平選手が複雑な思いを抱きそうです。
まじめに神社で合格祈願して受験して、勉学に励む、というのが人の道……。先日、久しぶりに太宰府天満宮にお参りしました。
九州にはパワースポットがたくさんありますが、中でも思い出深いのは太宰府天満宮。父が博多出身で何度もお参りした記憶です。
菅原道真公はハメられて太宰府に左遷されてしまい、無念のうちに亡くなられ、そのあと策略を企てた人たちが次々亡くなったので、祟りのパワーが恐れられました。でも、学問の神様としてお祀りされることで霊のプライドも満たされたのでしょうか。受験や厄除けなどに霊験あらたかな天神様は、1200年経っても人気が衰えないカリスマ的な存在です。
友人の知人に子孫の方がいらっしゃるそうですが、お医者さんでやはり子どもの頃から優秀というか、1時間睡眠でも全然平気で勉強に励まれたそうです。最近は、眠くて2時間睡眠になったらしいですが……。病院をいくつも経営されている成功者のようで、菅原道真公の霊験は本物だと感じました。
私も中学受験の時は太宰府天満宮で買った鉛筆で臨みました。鉛筆のおかげで受かった気がします。あと1点、とかに効いてくる太宰府天満宮のパワー鉛筆。別の土地の天神様でもたまに鉛筆が売られているのを見ます。これからの受験シーズンにおすすめです。
今回久しぶりに訪れたら、本殿が回収中だったのですが、そのかわりの仮殿の屋根が森のように草焼きが生えていて驚きました。八ヶ岳の小屋の屋根に鳥が種を落として木が生えてきた、という「らっくるじゅん」(アトリエ兼雑貨屋)を思い出しました。
自然との共生を体感できる素敵な屋根でした。奥の庭園には巨木があり、こちらでも自然を吸収できました。
境内には菅原道真公と縁が深い牛をかたどった御神牛の像があちこちにあります。この牛の、自分の体の調子悪いところを撫でると良くなる、という言い伝えがあります。この日腰が痛かったのですが、撫でたらすぐに痛みがなくなって即効性がありました。
あと、忘れてはいけないのがパワーフード、梅ヶ枝餅です。餅の生地で餡をつつんでいて素朴なおいしさです。味も小豆餡に統一されていて、当時の味を守り続けています。参道にいくつも梅ヶ枝餅のお店があってどれもおいしいですが、おすすめは神社に近いところの寺田屋さんです。東京のデパートの九州物産展でもたまに梅ヶ枝餅が出ているのを見かけますが、やはり現地で食べるのが一番おいしいです。しかも驚かされるのが150円くらいという安さ。今、あらゆるものが物価上昇していますが、梅ヶ枝餅は100円台で食べられるとは。おいしさ、変わらなさ、安さに感動し、胸に込み上げるものがありました。
仮殿のデザイン・設計は藤本壮介建築設計事務所が手がけたそうです。期間限定なので、貴重な姿を見られて良かったです。
配信: 幻冬舎Plus