「変形性膝関節症」になりやすい人の特徴はご存じですか? 再生医療・手術による治療法も医師が解説!

「変形性膝関節症」になりやすい人の特徴はご存じですか? 再生医療・手術による治療法も医師が解説!

変形性膝関節症に対する治療の選び方

編集部

手術はどのようなときに選択されるのですか?

角田先生

変形性膝関節症の治療には、手術を伴わない「保存療法」と「手術療法」に分類されます。手術療法が選択されるのは、保存療法で効果が期待できないときや、症状の進行が早いときです。また、膝の痛みが日常生活に大きな支障を与えているときにも、手術が適応になります。

編集部

PRP療法が適しているのは、どのようなケースですか?

角田先生

ほかの保存療法をおこなっても、あまり効果が期待できなかったときに有効です。特に「ヒアルロン酸注射や痛み止めなどの治療を受けているけれど、期待した効果が得られない。でも手術は受けたくない」という人がPRP療法を選択するケースが多いですね。

編集部

そのほか、どのような人がPRP療法を受けることが多いのですか?

角田先生

例えば、内科的な疾患の合併症がある人や高齢の人などが当てはまります。総じて、手術を受けることが難しい人は、PRP療法も選択肢の1つになると思います。

編集部

PRP療法は、ほかの保存療法と手術療法の中間に位置するイメージでしょうか?

角田先生

そうですね。PRP療法は再生医療の一種で、非常に新しく有望な治療法です。これまでなら手術をするしかなかった患者さんでも、「PRP療法をおこなうことで手術せずに済んだ」という症例は少なくありません。従来の保存療法ではあまり効果が得られなかったけれど、できれば手術は受けたくない場合は、PRP療法をおこなっている医療機関にまず、相談してみてはいかがでしょうか。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

角田先生

一般に、人工膝関節置換術をおこなった患者さんの満足度は70%とされています。一方で「PRP療法は60~70%の患者さんに効果が期待できる」と言われています。しかし実際は、末期の患者さんのような本来であればPRP療法が適応にならない人に対して、PRP療法が実施されているケースも多く、私自身は適応をきちんと選べば80%の患者さんに効果が期待できるのではないかと考えています。たしかに、人工膝関節置換術も優れた治療法ですが、その反面、手術後には禁忌となる運動や姿勢が生じるなど、生活に不便が生まれることもあります。しかし、PRP療法にはそうした制限がありません。変形性膝関節症の症状で悩んでいるのであれば、PRP療法も選択肢の1つとして検討していただければと思います。

編集部まとめ

近年は整形外科の分野に限らず、再生医療が注目を集めています。まだ治療を受けられる医療機関は限られていますが、興味がある場合には一度、専門医に相談してみてはいかがでしょうか。

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