好酸球性肺炎の前兆や初期症状について
好酸球性肺炎の症状には、咳や発熱、息切れ、胸の痛み、全身倦怠感などがあり、急性型と慢性型の症状で進行や強さが違います。
慢性型ではゆっくりと症状が進行し、長期にわたって症状が持続するため、自覚しにくいこともあります。
咳
好酸球性肺炎の一般的な症状として咳が挙げられ、急性型では突然乾いた咳が出始め、数日から数週間の間に急速に進みます。
慢性型では乾燥した咳がしばらく続き、数週間から数ヶ月かけて徐々に進行します。
発熱
発熱は好酸球が肺に集まり、体内で炎症が起きているサインです。
好酸球性肺炎の一般的な症状であり、急性型では、数日以内に高熱が現れることが多く、体温が急激に上昇することがあります。
慢性型でも発熱は見られますが、急性型ほどの高熱ではなく、比較的軽度の熱が長期間続くことが特徴です。
息切れ
好酸球性肺炎では、急性型と慢性型のどちらでも息切れが発生します。
急性型では息苦しさが顕著に現れ、数日から数週間のうちに呼吸が困難になる一方、慢性型では運動時に息が切れやすくなり、徐々に症状が進行していきます。
胸の痛みや不快
好酸球性肺炎では炎症が急速に進行するため、胸部に痛みや不快感を感じることがあります。
特に急性型では胸の痛みが強く現れ、息を吸う際に痛みが生じやすいです。
全身倦怠感や体重減少
慢性型の好酸球性肺炎では、全身のだるさ(倦怠感)や体重の減少などの症状が見られることがあります。
好酸球性肺炎の検査・診断
好酸球性肺炎の診断には、血液検査、胸部X線、CTスキャン、気管支鏡検査(BAL)、必要に応じて肺生検(肺から組織を採取し検査する方法)が行われます。
血液検査
血液検査では、血中の好酸球数を調べます。
好酸球性肺炎では血液中の好酸球が通常よりも多くなり、特に慢性型では好酸球の増加が顕著です。
急性型の場合、発症初期には好酸球の増加が見られないこともありますが、病状の進行とともに徐々に増加します。
胸部X線・CTスキャン
胸部X線やCTスキャンでは、肺の状態を詳しく観察できます。
好酸球性肺炎で特徴的な所見は、肺の「すりガラス状陰影」や「浸潤影」です。
急性型では、特に肺全体にすりガラス状の陰影が現れることが多く、肺の上部に胸水が観察されることもあります。
気管支鏡検査(BAL)
気管支鏡検査(BAL)は、好酸球性肺炎の確定診断に重要です。
気管支鏡を用いて肺の内部から液体(BALF)を採取し、好酸球の割合を調べます。
BALFにおける好酸球の割合が25%以上の状態は、急性好酸球性肺炎の診断基準の一つです。
参考:好酸球性肺炎(急性好酸球性肺炎・慢性好酸球性肺炎)と気管支鏡/気管支学/27巻(2005)1号/p32-36
肺生検
気管支鏡検査でも好酸球比率が低かった場合、肺生検にて肺の組織を直接採取して、好酸球の浸潤があるかどうかを調べます。
特に、慢性型では再発の可能性が高いため、確実な診断を行うために肺生検が推奨されます。
配信: Medical DOC