猫への薬の飲ませ方|上手に飲ませるコツや注意点を現役獣医が解説

猫への薬の飲ませ方|上手に飲ませるコツや注意点を現役獣医が解説

一般的に犬よりも猫の方が投薬が難しいことが多いです。薬を上手く飲んでもらい、病気の治療をスムーズにおこなっていくために、ここでは猫ちゃんへ投薬を行う場合の、小さなコツを解説していきます。

エサに混ぜるやり方

一気にぺろりとエサを平らげる犬とは違い、猫は元々少量頻回で食餌を摂る動物です。

置き餌にして、好きな時にエサを食べられるようにしてあるご家庭も、多いのではないかと思います。

そのため、エサにがっつくタイプの猫ちゃんでないと、薬を混ぜてあることなんてお見通しで、「薬だけ残してしまって、どうしてもダメ。」という子も多いです。

しかし、お腹の空いているタイミングでエサに薬を混ぜることで、食べてくれる猫ちゃんも何割かはいます。

朝や晩にまとまってエサを食べてくれる子は、この方法が取りやすいです。

勿論、人間よりも嗅覚の優れている猫が「混ぜてある薬に気付かない」ということは、そうそうありません。

「何かいつもと違うものが混ざっているけど、お腹が空いたからいいや、食べちゃおう!」という心情ではないでしょうか。要は「気付かない」のではなく、「気にならない」のです。

お腹が一番空いている時に薬を飲ませたいので、食べ始めの一口目に薬を混ぜるようにしましょう。

「避けてしまって結局食べなかった」という事態を防ぐために、まずは少量のエサに薬を混ぜたものを与え、薬まで完食したら残りのエサをあげるという方法も良いでしょう。

◎エサに混ぜる際の注意点

薬を混ぜ込むのに、例えば缶詰やパウチなどのウェットフードは、ドライフードよりも使い勝手が良いと思います。ウェットフードの方が好きで特別感があるならば、なおさら薬を混ぜても「気にならない」で食べてくれることでしょう。

しかし、食べ慣れていないものを病気の時に色々食べてしまうのは良くありませんので、ごく少量の使用に留めましょう。例えばお腹を壊している時、薬を飲むために美味しいものを食べすぎては、さらに胃腸に負担をかけることになります。

「錠剤だと混ぜ込みにくいため、粉にしたいです。」という方もいらっしゃいますが、薬の種類によっては剤型を変えてしまうと、十分な効果が出ない場合もあります。剤型を変えたい場合には必ず動物病院で相談してください。

投薬補助食品(オヤツ)を使う

現在、ペットショップや動物病院でも「投薬補助食品」を取り扱っているところが多くあると思います。

フードに混ぜても薬を飲んでくれない子には、チーズなどを使ってお薬を飲ませる方法もよく取り入れられますが、例えばアレルギーのある子や慢性疾患で食餌に制限がある子などは、使える食材が限られてきます。また、うまく包めなくて苦労するといったこともあるかと思います。

投薬補助食品は、ある程度の粘度や柔らかさのあるオヤツで、お薬を包みやすく、美味しいニオイを強くしたりして投薬を楽にしてくれるアイテムです。

粘度が高いものならば、お薬を包んだものを口の中に塗ってしまうという手も取れます。

人間のお子さんでもお薬を美味しく飲むためのゼリーなどがありますよね。色々なメーカーで取り扱いがありますので、低脂肪のものや低アレルゲンのものなども開発されています。気になった方はお店や動物病院などで相談してみてください。

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