●裁判で相手女性への慰謝料請求が認められても「プラス」にはならない可能性
相手女性に慰謝料を求める裁判中だ。始まってみれば、相手側証人になった夫にも裁判を起こせば良かったと痛感している。
日本の法律で、不貞行為(不倫)があった場合に損害賠償請求を認めることを直接に規定した条文はないが、民法では離婚裁判の原因として「配偶者に不貞な行為があったとき」が挙げられている(同法770条1項1号)。そして、判例は不貞行為(貞操義務違反)に及んだ不貞配偶者と不倫相手の共同不法行為と評価し、不貞慰謝料の成立を認めてきた。
裁判に至るまでに弁護士や探偵への支払いで100万円以上を費やしている。弁護士費用はごく一部しか相手方に請求できず、探偵費用は、損害として相手方に請求できるかどうかはケースバイケースであるため、裁判で請求が認められてもプラスにはならないかもしれない。
発覚から半年後の離婚成立、裁判で精神的に傷つき、鬱病になって入退院を繰り返した。事情を明かすと、大学生の子どもたちは寄り添ってくれたという。
相手女性の家族は何も知らない。不倫した側は変わらぬ日常を送っているのに、不倫された側の家族はボロボロだ。その非対称性に子どもたちも怒りを感じている。
相手女性を晒すことで複雑な思いを解消したいという。
Xの下書き投稿には、不倫相手の個人情報の記載とともに、パソコンから発掘した2人の性行為の動画を添付した投稿が「時限爆弾」のようにセットされていたという。
名誉毀損に問われるリスクがあり、弁護士に止められて、投稿することはおそらくないが「送信ボタンを押そうとして何度も止まった」。
動きそうになる親指を最後に踏みとどまらせたのは、子どもたちを「犯罪者の子ども」にさせられないからだという。
●シタ女との直撃音声をXで公開 30代サレ妻の呼びかけ「私、間違ってないよね?」
「不倫相手を公開したい気持ちは理解できる」
30代のサレ妻、Bさんも同意する。
Bさんと子どもを残して家出した夫は、仕事のクライアントの妻と不倫していたという。
Bさんは相手の居場所を突き止め、謝罪の気持ちを尋ねたところ「謝罪をしたら何か変わるんですか?」と反省の色が見えなかったことから、すぐさま慰謝料請求の裁判を起こした。
それまで「主婦の愚痴」を吐いていたXのアカウントを「サレ妻疑惑アカウント」「サレ妻アカウント」に切り替え、女性とのやりとりの加工音声をX上に公開している。
多くの人に「私は間違ってないよね。この女が間違っているよね」と確認したいのだと話す。
「不倫は悪なのに罪に問えないし、慰謝料の支払いが命じられたからって、払われる保証もないし、強制執行の手続きをとるにもお金がかかる。夫から婚姻費用も支払われず、私は借金しながら子どもと暮らしている」
配信: 弁護士ドットコム