●不倫した人の名誉とは? 逮捕された女性は「勇者です」
SNSで情報を発信できないなら、誰か公開された裁判を傍聴してほしいと考えることもある。
特定の相手の不倫を指摘することは、相手の社会的評価を低下させたとみなされる。「不倫した人の名誉なんてない。社会的に死んでほしい」と怨嗟を口にしつつも、弁護士から止められている。
AさんやBさんのように、情報を得たサレ妻の多くは、晒し行為が罪に問われるリスクを重々承知している。
だから、今年5月の事件で話題になった女性アカウントについて、「彼女は勇者」であると評し、多くのサレ妻の思いを代弁してくれたと受け止めている。
Bさんは「サレ損シタ得なんです。不倫されて、初めてその実態がわかった」と話す。
圧倒的不利な立場だという考えのもと、ほかのサレ妻からDMなどでアドバイスを求められると、誠心誠意を込めて返信している。
「不倫相手に求められる慰謝料の相場が安すぎる。判決で相場が作られてきたなら、どこかで改善してほしい。お金で癒されることはないとわかっていても、サレ妻はお金で解決するしかない」(Bさん)
●メンタル悪化のリスクも…サレ妻の教訓「リアルの相手にも相談して」
サレ妻の受けた圧倒的な不満やショックはなかなか解消されることはなく、不満を解消する手続きの中で、新たな不満も生まれているようだ。そのような現状の一端が見えてきた。
だからこそ、AさんもBさんも、SNS上のサレ妻コミュニティによって救われたと認める。その一方で、精神が不安定なときに、どっぷりSNSやネットの世界に浸かることも危険だと指摘する。
「ただ、他のサレさんの辛い心情を読むことで、こちらの精神も落ち込むことがあります。適切な距離感が必要」(Aさん)
「精神的な安定のためには、オンラインではなく、実際に人と会って話すことも大切」(Bさん)
弱みにつけこむように、サレ妻のオンラインサロンなどに誘ったり、探偵事務所に勧誘するようなアカウントも存在するというから注意は必要だ。引き続き「サレ妻」がどうすれば救われていくのか考えていく。
配信: 弁護士ドットコム