細菌・ウイルスに感染しやすくなる「好中球減少症」 原因となる疾患を医師が解説

細菌・ウイルスに感染しやすくなる「好中球減少症」 原因となる疾患を医師が解説

好中球減少症の治療

好中球減少症に対する治療は原因や症状によって異なります。

無症状や軽症の場合は、経過を観察するのみで特別な治療を行わないケースもあります。

感染症によって発症を認める場は、原因となるウイルスなどに有効な薬剤を用いて感染症に対する治療が行われます。薬剤が原因の場合は、原因となる薬剤の使用を中止したり、他の薬剤に変更したりすることで症状の改善が期待できるケースもあります。

何らかの原因によって好中球が正常に作られない場合は、「G-CSF(顆粒球刺激因子)」と呼ばれる薬剤を用いることがあります。また、自己免疫が原因と考えられる場合には、副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬などが用いられます。

一部の疾患や遺伝によってG-CSFの効果が十分に得られない場合は、造血幹細胞移植が行われることもあります。造血幹細胞とは、好中球を含む白血球などを作る元となる細胞です。造血幹細胞移植では、健康なドナーから提供された造血幹細胞もしくは患者さん本人の造血幹細胞を移植します。造血幹細胞移植には重篤な副作用のリスクもあるため、慎重に適応を判断して行われます。

好中球減少症になりやすい人・予防の方法

好中球減少症は明確な原因が不明のまま発症することもあるため、完全に予防することは困難です。

しかし、後天的な原因として何らかの薬剤や感染症、膠原病などの疾患によって発症することもあります。膠原病や感染症に罹患している場合や、薬剤を使用している場合は、少なからず好中球減少症を発症するリスクがあります。

疾患の治療中や薬剤の使用中に異変を感じた場合は、できるだけ早くかかりつけ医に相談しましょう。

関連する病気

細菌性肺炎

髄膜炎膠原病再生不良性貧血

急性白血病

骨髄異形成症候群巨赤芽球性貧血多発性骨髄腫

無顆粒球症

参考文献

難病情報センター「慢性好中球減少症(周期性好中球減少症、慢性本態性好中球減少症、自己免疫性好中球減少症など(平成21年度)」

徳島県医師会「好中球減少症」

国立がん研究センターがん情報サービス「好中球」

公益社団法人日本皮膚科学会「膠原病と類縁疾患」

国立がん研究センター希少がんセンター「造血幹細胞移植」

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