ついつい心無い言葉をかけてしまい
声をかけると、A子は顔を輝かせて「M美! 帰ってきてたの? 久しぶりだね!」と答えてくれましたが、幸せそうな家庭を築いているA子が不意に羨ましくなってしまい、私はついつい意地悪な言葉をかけてしまいました。
「久しぶり! ここすごく騒がしくない? やっぱり子どもがいるとちゃんとしたお店じゃなくて、こういうところで済ませるしかないんだね。私は絶対無理だな~。落ち着いて食べたいし!」
A子は、私の心無い言葉を笑顔で受け流してくれましたが、私はそのままさっさと立ち去りました。
自分の愚かさが恥ずかしい
その数日後、私はとんでもない事実を知ることになります。
別の友人との食事中に、何気なく「この間A子を見かけたんだけどさ、フードコートで子どもに慌ててごはんを食べさせてて、ちょっと気の毒だったわ」と、さも自分が優雅に過ごしているかのように話すと、友人は驚いた顔でこう言ったのです。
「え? A子は投資で大成功してるんだよ。あのフードコートに行くのも、投資している企業のお店が入ってるから、株主優待券を使うためらしいよ」
私は頭の中が真っ白になりました。勝手に決めつけて、心無い言葉を浴びせていたなんて……。自分の愚かさに、顔から火が出そうな恥ずかしさを感じました。