胃がんの手術費用についてよくある質問
ここまで胃がんの検査費用・手術費用・治療費用などを紹介しました。ここでは「胃がんの手術費用」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
胃がんの手術費用の支援制度があれば教えてください。
永井 恒志 医師
限度額適用認定・高額療養制度などがあげられます。1ヶ月の治療費が一定金額を超えた場合、超えた分のお金が後から払い戻される制度を高額療養費制度といいます。しかし、後で戻ってくるとはいえ高額な治療費を一度に払えない方もいるでしょう。市役所や区役所で認定証を取得し医療機関の窓口に提出するか、マイナ保険証を提示することで1ヶ月の上限以上に治療費を払う必要がなくなる制度があります。これが限度額適用認定制度です。金額の上限は年齢や所得によって違います。
胃がんの手術で起こりうる合併症を教えてください。
永井 恒志 医師
胃がん手術の合併症を下記に記述します。
術後出血
縫合不全
膵炎・膵液ろう
腹腔内膿瘍
腸閉塞
胆嚢炎
多臓器損傷
吻合部狭窄
逆流性食道炎
食事量減少
消化不全・下痢
ダンピング症候群
内蔵の一部を切除することになるため、出血や切除部・切開部のトラブル、周辺臓器の損傷のリスクがあげられます。また胃の摘出術を行った場合、胃の縮小に伴い食事量が減って栄養不足を起こしたり消化不十分で消化器トラブルを起こす可能性があります。胃摘出術で特徴的な症状は、ダンピング症候群です。胃を切除したことにより食物が急速に腸内に流れ込み冷や汗や頻脈・低血糖症状が出現します。ダンピング症候群のリスクがある場合、食事をよく噛んでゆっくり食べる・一回の食事量を減らすなどの対策が必要です。
編集部まとめ
がんは令和4年度の調査で日本で一番多い死因となっており、そのなかでも胃がんでの死亡者数は男性3位・女性5位と決して少なくない割合となっています。
前述のとおり胃がんは発症に気付くのが遅れる傾向にあるため、早期発見には定期的な検診が必要です。
また治療に関しても決して安くないお金が必要となるため、治療法の料金や特性の違い・支援制度について知っておくことで療養費用に関する悩みを減らせるでしょう。
この記事が健康を考える読者様の助けになれば幸いです。
配信: Medical DOC