もし親が認知症になってしまったら、どこまで介護ができますか?「自分が看なくては」と抱え込みすぎてしまう人も多いようです。もしもの時のために、施設の利用について知っておきたいことを「ふくろうクリニック自由が丘」の伊澤先生に伺いました。
≫ 「認知症」の初期症状はご存じですか? 原因や受診の目安も医師が解説!
監修医師:
伊澤 真理子(ふくろうクリニック自由が丘 副院長)
東邦大学医学部卒業。東邦大学医療センター大橋病院勤務後の2021年、東京都世田谷区に位置する「ふくろうクリニック自由が丘」の副院長就任。脳を中心とした疾患にチーム医療で対応している。日本脳神経外科学会専門医、日本認知症学会専門医・指導医、日本プライマリ・ケア連合学会認定医。
編集部
認知症の親をどこまで介護できるか不安です。手に負えなくなってきたら施設の利用も検討したいです。
伊澤先生
熱心なご家族ほど「私が看なくては」と抱え込みがちですが、介護は一朝一夕のものではありません。そのため、介護サービスは積極的に利用しましょう。例えば「ショートステイ」は、介護施設などに数日~数週間の宿泊利用できるサービスです。ご家族様のご予定の際、あるいは身体・精神的な休養として利用することをおすすめします。
編集部
入居に限らず、通いのデイケアもありますしね。
伊澤先生
はい。要支援・要介護の認定を受けた人が対象のデイケア(通所リハビリテーション)、要介護の認定を受けた人が対象のデイサービス(通所介護)があります。施設によってまちまちですので、見学会などに親子で参加して、サービスの中身を確認しておくといいと思います。実際、一般的にイメージされている内容とは違うと思いますし、ご家族の安心材料にもなるはずです。
編集部
いずれにしても、時間のかかりそうな話題です。
伊澤先生
2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると予測がされています。生活・介護のサポートや財産管理のサポートについて、誰にどのような支援を希望されるのか、判断能力が十分なうちに意思を確認しておきましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
伊澤先生
活動的なライフスタイルは、認知機能低下の予防に重要です。認知症予防のための介入は、早すぎることも遅すぎることもありません。また、認知機能の衰えを早期に察知することで、認知症の予防につながることもあります。受診を勧めづらい場合は、医療機関には伝えたうえで「健康診断」という形で一緒に来院されるのも手だと思います。
※この記事はMedical DOCにて【親が認知症にならないために覚えておきたい知識・対策】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
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