糖尿病による失明は「徐々に」ではなく「突然」 合併症の糖尿病網膜症とは?

糖尿病による失明は「徐々に」ではなく「突然」 合併症の糖尿病網膜症とは?

糖尿病が原因で起きる目の合併症を「糖尿病網膜症」と言います。予防のためにも「糖尿病と診断されたら、目の検査は“マスト”」と語るのは、糖尿病・内分泌内科りんごの花クリニックの武井先生。その理由を詳しく聞かせてもらいました。

≫ 【イラスト解説】糖尿病のある人が食べてはいけないもの

監修医師:
武井 真大(糖尿病・内分泌内科りんごの花クリニック)

信州大学医学部医学科卒業、信州大学大学院医学系研究科修了。その後、信州大学医学部附属病院などで生活習慣病に特化した診療を積む。2020年、群馬県伊勢崎市に「糖尿病・内分泌内科りんごの花クリニック」開院。医学博士。日本内科学会認定内科医・総合内科専門医、日本内分泌学会内分泌代謝科専門医・指導医・評議員、日本糖尿病学会糖尿病専門医・研修指導医、日本動脈硬化学会動脈硬化専門医・指導医、日本高血圧学会高血圧専門医ほか。

編集部

糖尿病の影響って、目にも出るのですか?

武井先生

はい。糖尿病をわかりやすくいうと、「全身の血管が硬くなったり詰まったりする病気」です。この影響は目に限らず、全身のどこでも起こり得ます。とくに目は細い血管が多く集まっている箇所なので、最も変化を感じやすいといってもいいのではないでしょうか。糖尿病が原因で、目に悪影響が出る合併症を「糖尿病網膜症」といいます。

編集部

目の血管が詰まってしまうと、どのようなことが起こるのでしょうか?

武井先生

酸素不足や栄養不足に加えて、血管が詰まってくると「新しい血管を生やして補おう」とします。この新しい血管は、本来の血管と比べて“非常に脆い”という特徴があります。つまり、血管が壊れやすいということです。

編集部

いずれ、失明する可能性もあるのでしょうか?

武井先生

糖尿病網膜症による影響は、「いずれ、徐々に」というより、「突然」現れます。我々の視野のほとんどは、網膜のなかでも「黄斑」という部分に映された情報から得ています。糖尿病による目の病気がこの黄斑で起きてしまうと、一挙に視力低下が進むでしょう。場合によっては「ある日、急に目が見えなくなる」こともあり得ます。ですから、糖尿病と診断されたら、目の検査は“マスト”と言いたいところです。

※この記事はMedical DOCにて【糖尿病で失明の危険性が!? 「糖尿病網膜症」ってどんな病気?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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