3、DVを受けた女性が後遺症に悩まされないようにするためにできること
DVを受けた女性は、後遺症に長く悩まされてしまうケースも多いです。
DV被害からの後遺症に悩まされないようにするためには、少しでも早く避難してケアを受けることが大切だと言えます。
DVによる後遺症に悩まされるようなことにならないために、次の方法で対処しましょう。
(1)1日でも早く暴力から逃れる
DV被害を受けている女性からすれば、さまざまな理由でDV加害者のパートナーから逃げ出せない状況になってしまっています。
しかし、後遺症に一生悩まされてしまうことにならないためにも、1日でも早く暴力から逃れる勇気を持ちましょう。DV被害が長引けば長引くほど身体面だけではなく精神面への影響が大きくなり、後遺症として残ってしまう可能性が高まります。そのため、1日でも早く暴力から逃れることが、後遺症のリスクを抑える方法であると言えます。
(2)シェルターに避難する
緊急時には、DVシェルター(一時保護施設)を利用することができます。
シェルターは極秘施設なので加害者からの追跡を逃れることができ、今後の生活の相談や、精神的なケアなどさまざまなサポートを受けられます。
シェルターを利用するには、警察の生活安全課や配偶者暴力相談支援センターへの相談が必要です。
(3)専門機関へ相談する
DV被害に遭っている場合や、DV被害に遭っているかもしれないという場合には、専門機関へ相談することも大切です。
相談機関では今後の対処などのアドバイスや支援を得られます。
各都道府県には、女性センターや男女共同参画センターなどDV支援を行う施設があり、電話による相談をすることができます。
また、身の危険が迫っている場合には警察へ通報することや、警察の生活安全課へ相談してみることもできます。
4、DVを受けた女性に後遺症が残った場合、加害者へ慰謝料は請求できるのか?
DVを受けた女性に後遺症が残ってしまった場合、治療費や医療機関への通院費用、生活に支障をきたしている場合には生活費など金銭面で苦しくなってしまうことも多いです。
後遺症が残るような被害を与えた加害者へ慰謝料を請求することは可能なのでしょうか?
(1)配偶者が加害者の場合離婚時に慰謝料を請求できる
配偶者がDV加害者の場合、離婚時にDVを理由に慰謝料を請求することができます。
DVは夫婦関係を破綻させる原因にもなるため、慰謝料請求と同時に裁判で離婚することも可能です。DVの程度によって慰謝料の金額は異なりますが、後遺症の程度が重いほど慰謝料の金額は高額になる傾向があります。また、離婚後に後遺症が発覚したという場合でも、慰謝料請求は認められる可能性が高いです。
ただし、離婚時に離婚後の金銭請求を行わないという清算条項を定めていた場合や、慰謝料請求権の消滅時効である3年が過ぎている場合には慰謝料請求が困難になります。
(2)親などの家族が加害者の場合
親などの家族がDV加害者の場合も慰謝料請求が可能です。
DVは不法行為であり、不法行為の加害者は被害者に対して損害を賠償する責任を負います。(民法第709条)
親など家族であっても暴力は不法行為として扱われ、慰謝料請求の対象になります。
また、親から子供へのDVは児童虐待に該当し、犯罪行為です。
暴行罪や傷害罪などに問うことができ、血縁関係に関係なく刑事罰が科せられます。
(3)恋人が加害者の場合
結婚はしていない恋人関係のパートナーからDV被害を受ける女性も少なくありません。
DVは不法行為に該当するため、夫婦関係ではない恋人からのDV被害にも慰謝料を請求することが可能です。
ただし、慰謝料を請求するにはDV被害に遭ったことを証明する必要があるため、DV被害の証拠が必要になります。医療機関の記録やDV被害を記した日記、DVを録画した動画やボイスレコーダーなど証拠を集めておきましょう。
配信: LEGAL MALL