中西圭三さんが「顔面神経麻痺」発症 5つの原因・なりやすい人の特徴【医師解説】

中西圭三さんが「顔面神経麻痺」発症 5つの原因・なりやすい人の特徴【医師解説】

顔面神経麻痺の前兆や初期症状について

顔面には口や目を閉じたり、笑ったりする表情筋が20個以上あります。表情筋が麻痺すると、目の乾燥や食べ物や飲み物が口からこぼれるなどの初期症状とともに、顔の動きに違和感が生じます。また、顔の片方のみの発症が多く、顔が曲がったような左右非対称の状態になるのも特徴です。

ラムゼイハント症候群では、帯状疱疹ウイルスの活性化によって耳や側頭部に強い痛みを伴うことがあります。顔面神経は表情筋以外にも、涙・唾液の分泌・味覚・鼓膜の動きにも影響を及ぼします。主な症状は以下のとおりです。

まぶたを閉じるのが難しい

額にしわを寄せることができない

表情を作れない

口が閉じられない

しゃべりにくい

味覚がわからない

目が乾き充血して涙が出る

ほうれい線がなくなる

頬を噛んでしまう

上記のような症状があった場合には、耳鼻咽喉科・頭頸部外科を受診しましょう。

顔面神経麻痺の検査・診断

顔面神経麻痺は、発症後早期の耳鼻咽喉科受診が必要です。耳鼻咽喉科では、原因疾患・障害部位・障害程度(予後)の診断を行います。
検査や診断について以下を確認しておきましょう。

原因疾患の診断

原因疾患の診断には、麻痺発症時の状態・前駆症状・難聴や、めまいの有無・既往症に関する十分な問診が欠かせません。また、麻痺が一側性か両側性か・麻痺の部位・耳介や口腔粘膜に帯状疱疹がないかなど理学的所見も重要です。
また、神経耳科学的検査・画像診断・ウイルス抗体価などの血液検査を行い、腫瘍病変や脳血管障害との鑑別を行う必要があります。

障害部位の診断

障害部位の診断は、涙腺機能検査・アブミ骨筋反射・唾液腺機能検査・電気味覚検査・画像診断などの検査結果より判定します。
主に、外傷性顔面神経麻痺で手術治療を行う際に行います。

顔面神経麻痺の予後診断

顔面神経麻痺の予後診断は、40点法での顔面運動評価(柳原法)や、神経興奮性検査(NET)・誘発筋電図検査(ENoG)などの電気診断法があります。
柳原法は、病初期の麻痺程度の評価ができ、予後診断や治療法の選択には欠かせない検査です。電気診断法は、顔面の神経を電気で刺激して筋肉の反応をみる検査です。発症1~2週間後に行い、筋肉や末梢神経の障害の程度を判断し、予後診断や治療効果の判定を行います。柳原法との複合的な判断で、正確な麻痺の程度診断ができます。

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