「人生は経営だ」投資資金を捻出するために大切なこと


投資資金を捻出するためには働いて収入を上げる方向で努力を / (C)sasaki106/PIXTA(ピクスタ)

新NISAがスタートし、投資を始める人や興味を持つ人が増えた2024年。一方、8月に起こった円相場と株式相場の急騰落では、「やっぱり投資は怖い」と不安を感じた人もいたのではないでしょうか。

とはいえ、実質賃金の低下や物価上昇が続く日本で、預金だけで将来に備えるのも厳しいのは事実。そこで紹介するのが、経済愛好家でコラムニストの肉乃小路ニクヨさんが提案するお金との付き合い方。

慶應義塾大学を卒業後、証券会社や銀行、保険会社などを渡り歩いてきたお金のプロであるニクヨさんが、新NISAやiDeCoの基礎知識とともに、堅実にお金を貯める方法についてレクチャー。将来を見据えたポジティブなマネープランを参考に、お金を育てることの大切さを学んでみませんか。

※本記事は肉乃小路ニクヨ著の書籍『いま必要なお金のお作法 幸せを呼ぶ40のマネープラン』から一部抜粋・編集しました。

投資資金を捻出するためには働いて収入を上げる方向で努力を

長期で投資を続ける資金を得るために必要なのは、「人生は経営だ」という考えです。投資資金の捻出を会社の経営として考えると、売上高を伸ばして、会社に入ってくるお金を増やすか? それとも経費やコストを抑えて、利益を捻出するか? 経営感覚が問われてきます。

結論としてはどちらも大切です。だからどちらも当然実行してください。というと鬼のような感じになってしまいますし、ちょっとしたブラック企業のようです。頑張りすぎると副作用として身体を壊したり、家庭が崩壊したりします。バランス大事だと片づけてしまえば、あらゆることはその通りとなってしまうのですが、ここで、「時間」という概念を使ってこのバランスを考えてみましょう。

会社の売上高にあたる個人の収入を上げるのと、コストの削減。時間をかけて能力を伸ばせるのはどちらでしょう?

私は収入を上げることだと思います。もはや年功序列という時代ではありませんが、やはりノウハウや技術を蓄積した方が、収入は上がります。つまり一般的に、収入を上げるには時間がかかるんですよね。ただ、これも恐ろしいことですが、このノウハウや技術の蓄積は一定の年齢を超えると新たな取得や維持が難しくなります。それはつまり、老化です。

そう考えると、人間という会社は仕事による売上高を伸ばせる時期が限定されている会社なんです。だからこそ、若い時期にこの売上高の増加を重点的にしないといけません。老化が始まる50代、60代になってから売上高を伸ばそうと思っても相当大変です。だから若い人には自己投資をして、自分の収入を伸ばすことを大切にしてねという話をよくしています。自己投資の方法は何といっても読書。電子書籍などを使えば文字を大きくして続けられますが、現物しかない本もあります。読めるうちに読んでおきましょう。気付きを得た時に書き込みするのも良いと思います。

また旅行を始め、フィジカル(肉体)を伴う経験も若い時でないとしんどいものです。体験のためにお金を使う自己投資は若いうちに取り組みましょう。

著=肉乃小路ニクヨ/『いま必要なお金のお作法 幸せを呼ぶ40のマネープラン』

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