「過呼吸」になる原因はご存知ですか? 発作時の対応を併せて医師が解説

「過呼吸」になる原因はご存知ですか? 発作時の対応を併せて医師が解説

過呼吸の前兆や初期症状について

過呼吸の症状は、突発的に現れることが多く、初めは息切れや胸の圧迫感を感じることが多いです。以下に、過呼吸の前兆や初期症状を説明します。

息苦しさや息切れ:
過呼吸の最初のサインは、息苦しさや息切れです。呼吸が速くなり、深く息を吸い込もうとする感覚が強まります。これは、体が必要以上に多くの酸素を取り入れようとするためです。

胸の痛みや圧迫感:
過呼吸が進行すると、胸に痛みや圧迫感を感じることがあります。これは、過剰な呼吸によって胸部の筋肉が緊張し、痛みを引き起こすためです。この痛みは、心臓発作に似た感覚を引き起こすことがあり、さらに不安を増幅させることがあります。

めまいやふらつき:
過呼吸によって体内の二酸化炭素が急激に減少すると、脳への血流が一時的に減少し、めまいやふらつきを感じることがあります。これは、脳への酸素供給が一時的に低下するためです。

手足のしびれ:
過呼吸が続くと、手や足にしびれや冷感が現れることがあります。これは、二酸化炭素が不足することで血液中のカルシウム濃度が変化し、筋肉や神経が過敏になるためです。

視野の狭窄や意識のぼんやり感:
過呼吸が長時間続くと、視界が狭くなる、または視界がぼんやりすることがあります。意識がもうろうとし、場合によっては軽い意識喪失に至ることもあります。

過呼吸の検査・診断

過呼吸の診断は、主に症状の聞き取りと身体検査を通じて行われます。過呼吸は、ストレスや不安によるものが多いですが、他の疾患が原因である可能性もあるため、必要に応じて追加の検査が行われます。

問診と症状の評価

まず、医師は過去の病歴や発作の頻度、ストレスレベルなどを聞き取り、患者の生活状況を確認します。発作の発生状況や、どのような状況で過呼吸が起こるかを詳細に聞き取ることが診断の第一歩です。

血液ガス分析

過呼吸によって体内の二酸化炭素濃度が低下し、pHが上昇することでアルカローシス(血液がアルカリ性になる状態)になることがあります。血液ガス分析によって、血中の酸素と二酸化炭素のバランスを確認し、過呼吸の影響を評価します。

心電図(ECG)

胸の痛みや心拍数の増加を伴う過呼吸がある場合、心電図検査を行って心臓の状態を評価します。これは、過呼吸が心臓病などの別の疾患によって引き起こされていないかを確認するためです。

呼吸機能検査

過呼吸が慢性的な場合や呼吸器系の問題が疑われる場合には、肺活量や呼吸機能を評価するための検査が行われることがあります。これにより、呼吸器系の疾患があるかどうかを確認します。

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