腸閉塞で命を落とす可能性も考えられると語ってくれたのは、おおつ消化器・呼吸器内科クリニックの大津先生。腸閉塞の症状や検査法などについて、解説してもらいました。
監修医師:
大津 威一郎(おおつ消化器・呼吸器内科クリニック)
昭和大学医学部医学科卒業。その後、さいたま赤十字病院総合臨床内科、消化管内科などで経験を積む。2021年、埼玉県北足立郡に「おおつ消化器・呼吸器内科クリニック」を開院。「地域の方々に安心・安全で適切な医療を提供したい」という想いを掲げ、地域医療に貢献している。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医、日本消化管学会胃腸科専門医、日本内科学会認定医、日本ヘリコバクター学会H.pylori(ピロリ菌)感染症認定医、日本がん治療認定医機構認定医。
編集部
まず、腸閉塞について教えてください。
大津先生
腸閉塞とは文字通り、腸が塞がってしまった状態のことを指します。通常、食べたり飲んだりしたものは食道から胃を通り、大腸まで運ばれます。そして、便として肛門から排泄されるのですが、この時に様々な原因で腸管の内容物が詰まり、肛門側に移動できなくなった状態のことを腸閉塞(イレウス)といいます。
編集部
腸管が閉塞すると、どうなるのでしょうか?
大津先生
腸管が閉塞すると、食べたものや胃液、腸液、ガスなどが腸内にたまり続けてしまいます。その結果、おなかの痛みや吐き気、嘔吐などを引き起こすほか、おなかが張ってガスや便が出なくなることもあります。
編集部
命に関わるようなことはありますか?
大津先生
腸管が閉塞すると血流が悪くなるため、体内への血液供給が不十分になり、意識障害などが現れる「ショック症状」を起こすこともあります。また、血流の悪い状態が続くと、場合によっては腸が壊死しまうことも考えられます。その場合は腹膜炎を起こして、命を落とす危険性が高いため、緊急手術が必要となります。
編集部
それは怖いですね。腸閉塞の検査は、どのようにおこなわれるのですか?
大津先生
まずは問診で症状を伺い、触診でおなかのふくらみなどを確認させていただきます。そこで腸閉塞が疑われる場合は、血液検査や腹部超音波検査、腹部のレントゲン検査をおこないます。さらに詳細な検査が必要な場合は、CTを用いることもあります。
※この記事はMedical DOCにて【知っておきたい「腸閉塞」のリスクと対策、最悪の場合は命を落とすことも】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
配信: Medical DOC
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