木枯らしが吹くと、いよいよ冬本番。 / (C)Asian nature photographer/PIXTA(ピクスタ)
地球上で起きていること、どれだけ知っている?
この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」
そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。
※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。
「木枯らし1号」は、実は限られた地域でしか吹かない風⁉
木枯らしが吹くと、いよいよ冬本番。コートの襟を立ててマフラーを巻いたり、なんだか人恋しくなったりする時期だ。
木枯らしとは、晩秋から初冬にかけて吹く冷たく強い北風で、上空に寒気が入り、一時的に西高東低の冬型の気圧配置になると発生する。木を吹き枯らすということからこの呼び名がつき、俳句では冬の季語になっている。
気象庁は毎年「木枯らし1号」が吹いたことを発表する。だがこれは、東京と近畿地方だけの地域限定。もちろん、それ以外の地域でも木枯らしは吹くのだが、気象庁の「木枯らし1号」の発表はない。
発表がなぜ東京と近畿地方だけなのか、今となってははっきりしない。「木枯らし1号」の発表は、昭和40年代にマスコミの要望で始まったのだが、正式な観測情報というよりは、季節の話題としてのお知らせ。現在もほかの地域から「発表してほしい」という要望がなく、発表は行なわれていないそうだ。
気象庁の「木枯らし」の定義は、東京と近畿地方でわずかながら異なっている。東京では「10月半ばから11月末に、西高東低の冬型の気圧配置になって吹く西北西~北の風で、風速は秒速8メートル以上」。近畿地方では期間が「おおむね『霜降』の10月24日頃から『冬至』の12月22日頃」、風向は「北より」で、気圧配置や風速は同じである。
この定義から外れていると、その冬最初の冷たい北風が吹いても、「木枯らし1号」にはならない。期間内に定義に合った木枯らしが吹かず、とうとう「木枯らし1号」がないままの年もあった。また、「木枯らし1号」はあっても、2号、3号の発表はない。季節の移り変わりを好む日本人のこと、東京と近畿地方以外でも「木枯らし1号」の発表があってもよさそうなものだが……。
著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』
配信: レタスクラブ
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