すべり症の前兆や初期症状について
すべり症は、初期には無症状のことも多いですが、症状が進行するにつれて痛みや神経症状が現れることがあります。
以下に、すべり症の主な前兆や初期症状を挙げます。
腰痛:
すべり症の最も一般的な初期症状は腰痛です。特に長時間立っている時や、歩いている時に痛みが強くなることがあります。痛みは背中の下部に感じることが多く、初期段階では軽い鈍い痛みが特徴です。
脚や臀部の痛み・しびれ:
すべり症が進行すると、ずれた椎骨が神経を圧迫することにより、脚や臀部に痛みやしびれが広がることがあります。これらの症状は、長時間立っている時や歩行中に悪化する傾向があります。
筋力低下や足の麻痺:
重度のすべり症になると、神経の圧迫がさらに進行し、筋力低下や足の麻痺が現れることがあります。特に、足を引きずるような歩行が見られる場合には、神経障害が疑われます。
立位や歩行の困難:
すべり症が進行すると、長時間立っていることや歩くことが困難になることがあります。これらの症状は、神経が圧迫されることにより、背中や脚に負担がかかるためです。
すべり症の検査・診断
すべり症の診断は、主に症状の聞き取りと画像検査によって行われます。早期に正確な診断を行うことが、適切な治療の鍵となります。
問診
最初に、医師が患者の症状について詳しく聞き取ります。腰痛や脚のしびれ、筋力低下の有無、痛みがいつから始まったのか、どのような状況で痛みが悪化するのかなどを確認します。
触診と身体検査
続いて、医師が背骨や脚の状態を確認するために、触診や身体検査を行います。神経の圧迫が疑われる場合、筋力や感覚の異常がないかを確認するテストも行われます。すべり症の患者は腰椎伸展時に疼痛を呈し、片足で立っているときに過伸展すると疼痛がさらに増強することがよくあります。
画像検査
すべり症の診断には、画像検査が欠かせません。
特に、以下の検査が行われます。
X線(レントゲン):
背骨のずれを確認するための基本的な検査です。すべり症がある場合、椎骨のずれが明らかになります。
MRI:
神経の圧迫や椎間板の状態を詳しく確認するために使用されます。すべり症が進行して神経が圧迫されている場合、その程度を評価するのに役立ちます。
CTスキャン:
骨の詳細な構造を確認するために使用されることがあります。脊椎分離症が疑われる場合や、手術前の詳細な評価に役立ちます。
配信: Medical DOC