DVにあたる行為とは?被害の証拠となるもの一覧と、証拠がない場合の対処法

DVにあたる行為とは?被害の証拠となるもの一覧と、証拠がない場合の対処法

5、DV被害に遭っているときは証拠集めよりも身の安全の確保が重要!

 

ここまで、DVの証拠の重要性を前提として解説してきましたが、現にDV被害で苦しんでいる方は、証拠集めよりも身の安全の確保を第一に考えてください。

配偶者の浮気で離婚を考えている場合なら、当面は泳がせておいて証拠を確保するという戦略も考えられます。

しかし、DV被害に遭っている場合には、いつ怪我をしたり精神疾患を発症したりするかもわかりません。

最悪の場合には、生命の危険すら考慮しておかなければならないのです。

したがって、証拠を確保するために配偶者との同居生活を無理に続けることは危険です。

DV行為の程度にもよりますが、耐えがたいほどに苦しんでいる場合には、なるべく早く別居するか、警察などの公的機関に相談し、身の安全を確保しましょう。

6、DV被害の証拠がない場合の対処法

 

身の安全の確保を優先した場合、DV被害の証拠をほとんど確保できていない場合もあることでしょう。そんな場合は、以下のように対処していきましょう。

(1)別居を継続する

別居を長期間にわたって継続すれば、そのこと自体で夫婦関係の破綻が認められ、離婚できる可能性があります。一般的に、離婚が認められるまでの別居期間は3年~5年程度が目安です。

そして、別居してからでも構いませんので、日々の状況を日記に記録していきましょう。別居したことで、生活状況やご自身の精神的な状況がどのように変化したのかを記録していくのです。

あなたが子どもを連れてDV夫(妻)から離れた場合、別居後に子どもの様子にも変化が現れることが多いものです。その状況も記録していきましょう。

こういった記録がDVの証拠のひとつとなり、より早く離婚できる可能性があります。

(2)婚姻費用分担請求をする

別居後は、離婚が成立するまでの間、配偶者に対して婚姻費用の分担を請求できます。つまり、生活費の一部を支払ってもらえるということです。

ただし、あなたが自身が直接、DV夫(妻)に請求して話し合うことは危険です。弁護士などの第三者を間に入れて話し合うべきです。家庭裁判所に「婚姻費用分担請求調停」を申し立てることもできます。

(3)相手とのやりとりを記録していく

少しでも早く離婚を成立させて、慰謝料も請求するためには、やはりDVの証拠を確保する必要があります。

あなたが家を出ると、DV夫(妻)は黙ってはいないでしょう。おそらく、何らかの働きかけがあるはずです。

電話やメール、LINE、手紙などが頻繁に来ることもあるでしょう。

当初は謝罪や「戻ってきてほしい」という文言が多いかもしれませんが、無視していると、やがて暴言や侮辱、脅迫などの文言に変わってくる可能性が高いといえます。

場合によっては、あなたにつきまとったり、家におしかけてくることもあるかもしれません。

このような相手とのやりとりは、逐一、記録していきましょう。相手の言動次第では、別居後でもDVの客観証拠を十分に確保できることもあります。

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