離婚調停を申し立てられたらどう対応すべき?8つのポイントをご紹介

離婚調停を申し立てられたらどう対応すべき?8つのポイントをご紹介

5、申し立てられた側が離婚調停を欠席するとどうなる?

では、離婚調停を申し立てられた側が調停を欠席するとどうなるのでしょうか。

離婚したくない方にとっては特に、家庭裁判所に出頭するのは気持ちのよいことではないでしょう。

しかし、調停を欠席したからといって離婚の話がなかったことになるものではありません。欠席すると以下のリスクを負うことがありますので、離婚調停を申し立てられたら、おっくうでも適切に対処する必要があります。

(1)離婚訴訟に進む

申し立てられた側が一度欠席したからといって、ただちに調停が打ち切られるわけではありません。しかし、2回、3回と連絡もなしに欠席を続けた場合には、話し合う意思がないものとみなされ、「調停不成立」となります。

調停が不成立となった場合、ほとんどのケースで離婚訴訟に進むことは前記のとおりです。離婚訴訟でも欠席を続けると、最終的には相手方の言い分どおりの判決(欠席判決)が言い渡されます。

(2)申立人の言い分どおりの審判が下ることもある(婚姻費用)

上記の説明を裏返して言えば、離婚調停を無視しても、家庭裁判所での話し合いが行われていない以上は、申立人の言い分どおりの「調停」が成立することはありません。

しかし、婚姻費用に限っては、すみやかに審判で申立人の言い分どおりに支払いを命じられる可能性があります。

婚姻費用は、離婚が成立するまでの間、生活費を分担する費用として配偶者に支払わなければならないお金のことです。

婚姻費用の支払いを命じる審判が下された場合は、決められたとおりに支払わなければ財産を差し押さえられることがあるので、注意が必要です。

(3)無断欠席は避けるべき

離婚調停を無断で欠席すると、調停委員から「誠意に欠ける人」という印象を持たれてしまいます。そうなると、その後に調停に出席したとしても交渉で不利になってしまうおそれがあります。

調停期日に都合が悪くなったときは、事前に連絡をすれば期日の変更や続行期日の指定などで対応してもらえますので、無断欠席は避けるようにしましょう。

6、離婚調停は申し立てられた側が不利になる?

離婚調停を経験した人の体験談として、「突然、家庭裁判所から書類が届いて、指定された日に家庭裁判所に行ったら、あれよあれよという間に離婚させられてしまった」というような話を聞いたことがあるかもしれませんね。

この体験談のように、離婚調停は申し立てられた側が不利になるのでしょうか。

(1)基本的に有利・不利はない

結論から言いますと、離婚調停では申し立てた側・申し立てられた側のどちらかが有利、または不利になるということはありません。

ただ、申し立てられた側にとっては、いきなり配偶者の一方的な言い分が書かれた申立書が送りつけられてきて、調停期日においても申立人の方から先に調停委員と話をすることになります。

このようなシステム上、申し立てられた側は後手後手に回ってしまい、反論するだけで精いっぱい、最悪の場合は反論する余裕もなく、ほぼ申立人の言いなりで離婚させられる……というケースがあり得るのも事実です。

しかし、このような事態は、準備不足のために起こることです。これまでにご説明してきたように、申立書を受け取ったら自分の思考を整理して、答弁書を提出し、しっかりと準備・対策を整えて調停に望めば、不利になることはありません。

(2)ただし準備に追われる可能性はある

第1回調停期日は、申立人が離婚調停を申し立ててから1~2か月後に指定されます。そのため、申し立てられた側が書類を受け取ってから第1回調停期日までに1か月も準備期間がない場合もあります。

そのため、申立人はじっくりと準備を整えて申し立てることが可能であるのに対して、申し立てられた側は強制的に準備に追われる可能性もあります。

しかし、このような場合でも慌てる必要はありません。第1回調停期日までに反論が間に合わなければ、「まだ考えがまとまっていないので、次回期日まで時間の余裕をください」と言えばよいのです。

このような対応を何度も繰り返すと調停を打ち切られることもありますが、1~2期日分は時間的な猶予をもらえるはずです。

調停は話し合いによって解決を図る手続きですので、当事者の一方が「話し合いのために時間が欲しい」と言っているにもかかわらず、すぐに強引に打ち切ることはありません。

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