結婚生活の中で、夫と別居を検討する女性は少なくないでしょう。
特に子供がいる場合、子供を連れての家出を考える女性もいることでしょう。
この記事では、子供を連れた女性に焦点を当てて、
・別居が子供に及ぼす影響
・離婚を前提に考え、実行すべき8つのステップ
について紹介します。これらの情報が参考になれば幸いです。
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1、別居による子どもへの影響
夫婦別居を行うことによる子どもへの影響をまずは考えてみましょう。
子どもがいた場合には、別居に関しても慎重に行動する必要があります。
(1)子どもが不安になる
間違いなく子どもの心は不安に怯える結果になります。
急に片親がいなくなるわけですから当然の心理です。
これまで頼りにしていたどちらかの親が急にいなくなれば、不安は拭いきれません。
今度は自分が捨てられるのではないかと怯えてしまいます。
最悪のケースではうつ病を発病したりなどの心身の不調を引き起こす可能性もあるでしょう。
(2)顔色を窺う子どもになる
不安な心から大人の顔色を窺う子どもになる可能性があります。
親に対してだけではありません。
家庭でのできごとは日常生活や学校生活でも同様に症状が現れるものです。
いつも大人の顔色を窺っているため、おどおどした態度になりがち。
そして、いい子にしていようという心理が働くため、引き取った親は子どもの変化に気がつかない可能性もあるでしょう。
(3)言いたいことが言えない子どもになる
大人の顔色を窺う子どもになることによって、自分の言いたいことを上手に伝えられない子どもになってしまうかもしれません。
心とは裏腹にいい子になろうとするからです。
大人を困らせない子どもになろうとするあまり、本心を口に出せなくなるでしょう。
(4)引きこもりや不良行為を行う可能性がある
何でも我慢してしまうことによって、自分の殻に閉じこもり引きこもりになってしまう可能性もあるでしょう。
引きこもりだけではなく、反動で不良行為を行う子どもも中にはいます。
何でも言える友人ができることによって、心の癒しを家庭ではなく、友人とのグループの輪に見出してしまうのです。
もしも悪いグループに所属した場合には、仲間と一緒に不良行為に及ぶ危険性もあることでしょう。
(5)自分のことを責める子どもも
中には自分のことを責めてしまう子どももいるでしょう。
自分のせいで両親が喧嘩をするんだ、自分のせいで両親が一緒に暮らさないんだなどと自分を責めて傷を負ってしまいます。しかし、そのことは口に出せないため、両親には心を見ることができません。
一方では、子どもに被害者意識が芽生えるケースもあるのは事実です。
自己嫌悪に陥るタイプと、両親と一緒に暮らせない可哀想な自分に被害者意識が強まる場合もあるでしょう。
(6)異性を信じられなくなる
将来的な結婚への夢と希望がなくなってしまうケースもあるかもしれません。
両親の不仲を見て、誰のことも信頼できなくなってしまうケースです。
異性と恋愛することさえ信じられない場合もあります。親の別居は子どもに想定よりも深い傷を負わせる結果になるでしょう。
2、無断で逃げるように別居した場合は違法になる?
逃げるように子どもを連れて別居した場合には、相手から慰謝料を請求されるのでしょうか。
状況にもよりますが、基本的には、慰謝料を請求されることはありません。
DVなどがあり、夫婦仲に破綻をきたした状態での逃げるような別居は子どもにとっても不利にはなりません。
そのため、子どもの利益になったと考えるのが一般的です。
そして、主に養育をしていたのが母親で母親が逃げるように子連れで別居した場合には、問題にならないケースがほとんどと考えてください。
もしも、あなたが子どもに虐待をしていたにもかかわらず、子連れで別居に至った場合には、慰謝料の対象になる可能性があるでしょう。子どもの不利益になる行動は控えてください。
(1)ただし、未成年拐取罪に該当する可能性が…
慰謝料を請求される可能性は低いですが、未成年者拐取罪に該当する恐れはあるでしょう。
例え実の親だとしても、勝手に子どもを連れ去る行為は犯罪に問われる危険性があります。
ただし、子どもがDVを受けていたなどが立証できれば当然子どもを保護したことになりますので、拐取罪には該当しません。
いずれにしても、子連れでの家出や別居は慎重に話し合って進めた方が賢明です。
(2)子の引き渡し請求を申立てられる可能性も
子どもを勝手に連れ去ったと相手が感じている場合には、家庭裁判所に「子の引き渡し請求」を申し立てられる可能性があります。
理由があって、主に養育していた側が子どもを連れて別居している場合には、基本的には認められませんので、安心してください。
ただし、別居中に子どもを虐待したなどの事由がある場合には、子の引き渡しが認められるケースがあるでしょう。
その他、理由もなしに子連れで別居に踏み切った場合には、あなたに不利に働くかもしれません。
配信: LEGAL MALL