鎖肛の前兆や初期症状について
鎖肛(さこう)の症状には、便秘や腹部膨満があります。
体外に便をだすことができないため、体内に便やガスが溜まるのが理由です。
鎖肛には本来の肛門位置あるいはその前方に小さな穴(瘻孔)がみられるものもあります。
男の子は膀胱や尿道に直腸がつながっている場合があるため、便が混じった尿がでたり排尿時にガスの匂いがしたりすることがあります。
一方、女の子の場合は子宮や膣と直腸がつながっていることがあるため、膣から便が出るなどの症状が現れる場合もあります。また、女の子場合、正しい位置に肛門がなくても膣のすぐ後方に小さな穴(瘻孔)が開いていることがあります。これは通常、低位の鎖肛として治療されることが多いです。
出生時に鎖肛に気づかれないままだと、貯留した便によって腸管が膨らみ消化管が破れると、腹腔内に食べものや消化液などが漏れ出します。漏れ出た消化管の内容物は刺激が強く細菌を含んでいるため、重度の炎症がおきまれに腹膜炎を発症することもあります。
鎖肛の検査・診断
多くは出生直後胎児の全身状態を観察する際に、会陰部やお尻の視診で発見されます。出生後は直腸で体温を測りますが、体温計が直腸に入らないことで見つかるケースもあります。
鎖肛(さこう)は、直腸の高さと肛門括約筋との位置関係によって治療方針が変わってきます。
直腸末端が肛門括約筋より上で終わっているものを「高位型」、途中で終わっているものを「中間型」、通過しているものを「低位型」といいます。
直腸末端が肛門の皮膚側に近い順から低位型、中間型、高位型です。どの型であるのかを判断するために、レントゲン検査で直腸末端の位置を確認します。
またその他の先天性疾患を合併していることもあるため、全身の検査もおこないます。
鎖肛に合併する主な奇形は以下のとおりです。
泌尿生殖器系奇形(水腎、膀胱尿管逆流症、水尿管)
脊髄・脊椎奇形
心大血管奇形
十二指腸閉鎖
食道閉鎖
染色体異常など
これらの合併症は新生児期にレントゲン検査や超音波検査で確認します。
配信: Medical DOC