「二人とも病気だから将来のことが心配」 一緒に暮らすことが許されない日本人の娘とフィリピン人の母親

「二人とも病気だから将来のことが心配」 一緒に暮らすことが許されない日本人の娘とフィリピン人の母親

●突如、東京入管に収容されてしまった

2017年、法務局から連絡があり、「娘の日本国籍が取れたので、手続きをするため入管に行ってほしい」と言われ、マリベスさんは群馬県にある入管を訪れた。

そこで聞き取りを受けたのち、「東京入管のほうに行ってほしい」と言われた。東京入管に行ったところ、在留資格のない状態であるマリベスさんは、そのまま収容されてしまった。

突如、収容されてから、娘に会えない辛さで、いつも泣いていたという。

どうしたらよいのかわからず、群馬の法務局や市役所に電話で相談した。市役所の職員に「娘は大丈夫だから、安心してフィリピンに帰っていいですよ」と言われ、激しく傷ついた。

養護施設にも電話して「どうか娘を連れて面会に来てくれないか」と頼んだが、群馬から東京はあまりにも遠く、連れて来ることは難しいとの回答だった。

●原因不明の激しい腹痛に苦しめられる

収容中は原因不明の激しい腹痛にも苦しめられた。

最初は検査すらしてもらえず、職員に「ホルモンバランスが崩れているか、ストレスが原因だろう」と言われて「命の母」(女性保健薬)を飲まされ続けた。

改善する様子がないと、今度は抗生物質を飲まされるようになった。薬が合わなくて頭痛がするようになったが、嫌でも強制的に飲まされる。

口の中を見られ、薬を服用しているかチェックされる。あまりの頭の痛さや耳鳴りに三度も倒れたことがあるが、それでも職員には「ストレスだから」と流された。

医者が変わってから薬の量がやっと少なくなった。「膵臓が腫れている」とか「癒着している」とか診断されたが、職員には「外に出たら自分で治して」と言われた。

関連記事: