「硝子体出血」はどのくらいで治るのか医師が解説 放置しているとどうなる?

「硝子体出血」はどのくらいで治るのか医師が解説 放置しているとどうなる?

硝子体出血の前兆や初期症状について

軽度の硝子体出血の場合、糸くずや虫が浮いているように見える飛蚊症の増悪を自覚する人が多いですが、自覚症状がほとんど現れないケースもあります。

出血量が増え、硝子体の混濁が広がると、視力低下、視界がかすむ、視界全体が暗くなる、視界が狭くなるなど、はっきりとした症状が現れます。

硝子体出血において、これらの自覚症状のさらに前兆となるものは検査によって発見する以外にありません。硝子体出血は糖尿病の進行との関連性が深いため、発症リスクが高いと考えられる人は定期的な検査を受けることが重要です。

硝子体出血の検査・診断

硝子体出血の検査・診断では「眼底検査」が特に重要です。眼底の網膜やその周辺組織をよく観察し、出血原因や程度を判定しなければならないからです。

硝子体出血の予防的検査、あるいは軽度の硝子体出血であれば、眼底検査で網膜などを直接観察することで、出血原因まで診断ができます。

ところが、すでに硝子体出血をおこしていて、出血が硝子体全体に広がるなど混濁がひどい状況では、眼底検査がじゅうぶんにおこなえない場合があります。その際は、超音波検査、網膜電図(ERG)検査、光干渉断層計(OCT)検査など、別の検査方法で網膜周辺の組織の状態を確認して、診断を試みます。

また、各検査をしてもはっきりと原因が診断できないような状況で、特に網膜剥離が疑われる場合など緊急を要する際には、原因の特定よりも治療(硝子体手術)を優先する例もあります。

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