「脂肪肉腫」がよくできる場所はご存知ですか? 早期発見のポイントを併せて医師が解説

「脂肪肉腫」がよくできる場所はご存知ですか? 早期発見のポイントを併せて医師が解説

脂肪肉腫の前兆や初期症状について

脂肪肉腫は、前兆や初期症状がほとんどないため、見逃されてしまうこともあります。
ただし、腫瘍が大きくなった場合は痛みや腫れ、しこりなどの症状が現れることがあります。

とくに体の内側の深いところに脂肪肉腫ができた場合は、かなり大きくならないと気づかないことも少なくありません。

一般的に、脂肪肉腫の大きさが5cm以上になると、しこりを自覚し、受診される方が増えます。ただし、太ももに発生した場合は気づきにくいため、10cmほどの大きさになってようやく受診される方もいます。

どの型においても自覚症状が乏しいことから、健康診断や人間ドックなどの画像検査で偶然発見されることも少なくありません。

脂肪肉腫の検査・診断

脂肪肉腫が疑われる場合、まずは触診や視診によって症状を確認します。その後、より精密な結果を得るために画像検査や血液検査などを行うことが一般的です。

触診、視診

脂肪肉腫は、触るとゴムのような感触で、動きづらいことが特徴です。触診や視診は、医師がしこりの状態を触ったり見たりして確認する検査です。

一つの判断材料にはなりますが、触診や視診だけで確定診断をすることはありません。

血液検査

血液検査をすることで、脂肪肉腫かどうかを見分ける判断がしやすくなります。ある程度の大きさがあり悪性度が高い脂肪肉腫の人では、血液中に含まれているLDHやCRPなどの値が上昇していることがあります。

ただし、血液検査も脂肪肉腫の確定診断をするものではありません。全身状態を把握するために行われます。

画像検査

画像検査では、CT検査やMRI検査、超音波検査、PET検査などが行われます。

CT検査はX線を照射して体内の断面図を取得する検査です。脂肪肉腫の大きさや位置、浸潤の有無などが分かります。

MRI検査も体内の断面図を取得できる検査です。こちらはX線照射は行わず、磁場とラジオ波を用いて画像を取得します。CT検査もMRI検査も腫瘍の広がりや湿潤を観察するのに有効です。

超音波検査は超音波を使ってリアルタイムで患部の観察ができます。
PET検査は、CT検査やMRI検査とは違い脂肪肉腫の活動性も分かることが特徴です。

生検

生検とは、腫瘍の一部または全体を採取して顕微鏡で詳細に調べる検査のことです。脂肪肉腫の確定診断に用いられます。

腫瘍に細い針を刺して病原を採取する方法、手術で腫瘍の一部を採取する方法があります。

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