「急性心不全で突然死」についてよくある質問
ここまで急性心不全で突然死などを紹介しました。ここでは「急性心不全で突然死」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
急性心不全で突然死する時、どんな症状が多いですか?
甲斐沼 孟(医師)
急性心不全で突然死するケースとしては、胸痛など胸部症状を呈して、心筋梗塞を引き起こす場合が考えられます。心筋梗塞は、心臓を養う冠動脈という血管が突然ふさがり、冠動脈疾患を起こすことによって心筋の一部への血液供給が大きく減少し遮断されることで発症します。
生命に必須である心臓への血液供給が数分以上にわたって大きく減少するか中断されると、心臓の横紋筋の筋肉組織が壊死することに繋がります。
心臓のポンプ機能は、心筋が収縮と拡張を繰り返すことで維持されていますので、心筋梗塞を起こして心筋の一部が機能しなくなって死んでしまうと、ポンプ機能が正常に働かなくなって、さらに心不全状態を悪化させることになります。
特に、急性心筋梗塞では、同時に心室細動という危険な不整脈を合併しやすく、そうなった場合には、迅速で適切な治療の有無が生死を分けることになります。
編集部まとめ
心臓という臓器は全身に血液を送り出すポンプの役割として一日中、休むことなく働き続けています。
一般的に、心不全とは心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める命に直結する病気と定義されています。
一言で心不全と言っても、原因や自覚症状は人によって多種多様です。
急性心不全は、虚血性心疾患、高血圧、心臓弁膜症などさまざまな心臓の病気が原因となって起こります。
急性心不全になると、息切れや動悸、激しい咳、手足のむくみ、倦怠感、夜間の頻尿・多尿などの症状が現れて、最悪の場合には突然死する可能性があります。
急性心不全は年齢を重ねるごとに発症するリスクが上がるために、現代の高齢化が進む我が国においては年々発症者が増えている病気でもあります。
今後もさらに患者数が増加することが予想されていますので、急性心不全に伴って突然死しないために日常的に注意していきましょう。
心配な症状があれば、循環器内科など専門医療機関を受診しましょう。
配信: Medical DOC