監修医師:
高藤 円香(医師)
防衛医科大学校卒業 / 現在は自衛隊阪神病院勤務 / 専門は皮膚科
掌蹠角化症の概要
掌蹠角化症(しょうせきかくかしょう)とは、手のひらと足の裏の角質層が分厚く、硬くなる疾患です。
もともとの遺伝子が原因でなる先天的要因と、中年期以降にさまざまな原因でなる後天的要因がありますが、一般的に先天的要因のものを「掌蹠角化症」とよびます。
掌蹠角化症は、病型によって特徴や症状が異なりますが、一般的には以下のような特徴がみられます。
主に手のひらと足の裏に症状が出現する
皮膚の角質層が異常に分厚く、硬くなる
病型により異なるが、多くの場合、生後数ヶ月から乳幼児期に発症する
掌蹠角化症は、病型によって皮膚以外にも症状がみられることもあり、腫瘍や他臓器の異常を伴うといったさまざまな病態を示します。
日本人を含むアジア人で最も多くみられる掌蹠角化症は「長島型掌蹠角化症」と呼ばれる病型であり、日本には約1万人の患者がいると推測されています。
掌蹠角化症の原因
掌蹠角化症の主な原因は、生まれ持った遺伝子によるものです。皮膚の角化に関与するタンパク質の異常によって引き起こされると言われています。
常染色体優性遺伝や常染色体劣性遺伝などの遺伝形式を取ることがほとんどであり、後天的に発症するケースは稀です。
ただし、一部の掌蹠角化症の中には、まだ掌蹠角化症の原因が特定されていないものもあり、現在も研究が進んでいます。
配信: Medical DOC