掌蹠角化症の前兆や初期症状について
掌蹠角化症の前兆や初期症状は、病型によって異なります。
主な病型の発症時期と初期症状は以下のとおりです。
病型
発症時期
初期症状
Vörner型
生まれてすぐ
・手のひらや足の裏が赤くなる
・皮膚が徐々に厚くなり始める
長島型
生まれてすぐ~3歳ごろまで
・手のひらや足の裏などが強く赤くなる
・手足の汗が多くなる
・手を水に浸すと、5~10分で皮膚が白くなる
線状・円型
症状が完成するのは青年期以降
・手のひらや足の裏が赤くなる
・線や丸い形の硬い皮膚ができ始める
Papillon-Lefèvre症候群
乳幼児期
・手のひらや足の裏が赤くなる
・手や足の先が赤くなる
・歯茎のトラブルが現れる
指端断節性(Vohwinkel)
乳幼児期
・爪の周りや手のひら、足の裏が赤くなる
・爪が厚くなり始める
掌蹠角化症は、上記以外にもさまざまな病型があり、症状も異なるため、気になる症状があった際は皮膚科医に相談しましょう。
掌蹠角化症の検査・診断
掌蹠角化症の検査には水浸試験や皮膚生検などがあります。
診断は検査結果と臨床所見を総合的に評価して行われます。
掌蹠角化症の検査
検査
内容、特徴
水浸試験
・手足を水に10分ほど浸す
・病変部分が白く柔らかくなるかを確認する
・特に長島型掌蹠角化症の診断に有用
皮膚生検
・皮膚が分厚くなっているところから、組織を採取する
・顕微鏡で、表皮の肥厚や角質層が分厚くなっていないかを確認する
遺伝子検査
・各病型に関連する遺伝子の変異を検出する
・遺伝子検査は保険適用外であるため、基本的には自費になるが、研究目的で遺伝子検査が行われる場合もある。
掌蹠角化症の診断
掌蹠角化症の臨床所見として、主に以下の点を確認します。
手のひらと足の裏の皮膚が分厚くなっていないか
症状がいつから出てきたか
家族に掌蹠角化症と診断された人はいないか
皮膚の異常を引き起こす疾患は掌蹠角化症以外にも、アトピー性皮膚炎や乾癬、手足の接触性皮膚炎などがあります。そのため掌蹠角化症の診断では、これらの別の疾患の可能性を除外する必要があります。
掌蹠角化症は、先天的なものが多いことや特徴的な所見が見られることから、症状が出てきた時期と他の家族に掌蹠角化症の人がいないかや水浸検査の結果が、診断の手がかりになります。
配信: Medical DOC