掌蹠角化症の治療
掌蹠角化症の治療は、主に症状に対するアプローチが中心です。
治療
内容
外用療法
・10%サリチル酸ワセリンを1日2~3回患部に塗る。
・皮膚軟化剤や角質溶解剤を使う
内服療法
・レチノイド(チガソン10mg)を1日4カプセル、2回に分けて服用する(症状が強い場合)
物理的治療
・コーンカッターや長柄カミソリなどを用いて角質を物理的に削る
外科的治療
・手指の皮膚が輪っかのように締め付けられている場合や皮膚の分厚さが強い場合、植皮も考慮される
その他
二次感染や合併症がある場合は、疾患に応じた治療を行う
上記の治療法は、症状の程度に応じて選択されます。掌蹠角化症は長期的な管理が必要となるため、皮膚科医の指導のもと、適切なケアを継続しましょう。
また、病型によってはがんなどの合併症が起きる可能性があるため、合併症に対する治療も同時に行う必要があります。
掌蹠角化症になりやすい人・予防の方法
掌蹠角化症は、主に遺伝性疾患であるため、家族に掌蹠角化症の人がいる場合は、発症するリスクが高くなります。
また、日本人の約50人に1人が「長島型掌蹠角化症」の保因者(発症の原因となる遺伝子を持っているものの発症していない人)であると言われています。
掌蹠角化症は、遺伝性疾患であることから、完全に予防することは難しいですが、家族に掌蹠角化症の人がいる場合は、遺伝カウンセリングを受けることで、リスクや対策について相談することができます。
「皮膚が分厚くなってきた」「手のひらや足の裏が赤い気がする」といった、気になる症状がある際は早めに皮膚科医へ相談することが大切です。
関連する病気
Howel-Evans症候群
Unna-Thost病
Vorner病
Papillon-Lefèvre症候群
Vohwinkel症候群
びまん性非表皮融解性掌蹠角化症
長島型掌蹠角化症
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Greither病(進行性掌蹠角化症)
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Cole病
点状掌蹠角化症
先天性爪甲厚硬症
参考文献
掌蹠角化症診療の手引き
皮膚疾患分野|掌蹠角化症(平成24年度) – 難病情報センター
掌蹠角化症[私の治療]|日本医事新報社
指定難病の検討資料|厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)
配信: Medical DOC
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