内臓がおへそから突出する「臍ヘルニア」 なりやすい人の特徴を医師が解説

内臓がおへそから突出する「臍ヘルニア」 なりやすい人の特徴を医師が解説

監修医師:
佐伯 信一朗(医師)

兵庫医科大学卒業。兵庫医科大学病院産婦人科、兵庫医科大学ささやま医療センター、千船病院などで研鑽を積む。兵庫医科大学病院産婦人科外来医長などを経て2024年3月より英ウィメンズクリニックに勤務。医学博士。日本産科婦人科学会専門医、日本医師会健康スポーツ医、母体保護法指定医。

臍ヘルニアの概要

臍ヘルニアは、腹部の内容物(主に腸管や腹膜)が腹壁の弱い部分、特に臍(へそ)の部分から突出する状態を指します。
この疾患は新生児や乳児に多く見られますが、成人でも発症することがあります。多くの場合、痛みを伴わず、生命を脅かすものではありませんが、適切な管理と治療が必要です。

臍ヘルニアの原因

臍ヘルニアの主な原因は、腹壁の筋肉や結合組織の脆弱性です。
新生児や乳児の場合、出生時に臍帯が落ちた後の腹壁の閉鎖が不完全であることが原因となります。これは臍輪閉鎖不全と呼ばれる状態です。
一方、成人の臍ヘルニアは、腹圧の上昇や腹壁の脆弱化によって引き起こされます。先天的な腹壁の脆弱性が基礎にある場合もありますが、後天的な要因も大きく関与しています。例えば、妊娠や出産による腹壁の伸展は、女性の臍ヘルニア発症リスクを高める重要な要因です。また、肥満や急激な体重増加も腹壁に過度な負担をかけ、ヘルニアの発症を促進する可能性があります。さらに、腹水や腹部腫瘍による腹圧の持続的な上昇も、臍ヘルニアの発症リスクを高めます。日常生活においては、慢性的な咳や便秘、重い物の持ち上げなどによる腹圧の急激な上昇が、臍ヘルニアの発症や悪化につながることがあります。
これらの要因が単独または複合的に作用することで、腹壁の弱い部分が押し広げられ、臍ヘルニアが形成されます。

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